つながっている、ひろがってゆく。交流

交流トップページへ戻るボタン

記事検索アイコン
記事検索
CLOSE
このページをシェアする
  • ライン

No.
111
Vol.04 氷山の90%は沈んでいる

カンナこと、こんなこと。

先日、何気なくテレビを見ていたら「センチネル族」のことを紹介していた。

インド洋の東寄りに浮かぶ500以上の島々からなるアンダマン・ニコバル諸島の一つ、北センチネル島に住む原住民の話である。

島の名前から「センチネル族」と呼ばれているこの部族は、完全に外界との接触を拒み、現代文明から切り離された独自の言語、生活習慣を維持しているという。狩猟や採集に使用する道具も原始的な槍や弓矢などであるため、石器時代の暮らしをしている世界唯一の民族とも言われているようだ。推定でその数は250人前後の少数とはいえ、世界の一部の地域には、まだまだ現代社会から隔絶され孤立して生活する人々が存在している。

気になって少し調べてみると、アマゾンの熱帯雨林やインドネシアの島々、ニューギニアの密林地帯など、人里離れた場所に暮らし外界と接触していない「孤立民族」は世界中で100以上あるらしい。これらの人々は電気や水道はもちろん、車や住居、機械やコンピューターなど、科学技術の発展、文明進化の恩恵とは無縁に生きているのだ。幸せか不幸か、良いか悪いかという評価の枠を超えて、世界を見渡すと、私たちが当たり前と思っていることが、実は必ずしも当たり前ではないのだと思い知らされる。

ふとずいぶん前に話題になった本のことを思い出した。「世界がもし100人の村だったら」である。これは世界の現状を100人で表しているものだが、日本で話題になったのは2001年ぐらいだから、かれこれもう20年近く前の本だ。地球上の人口は現在、70億人ぐらいなのだから、著されている数字にはズレがあるかもしれないが、あらためて本の頁を繰ってみると、さまざまなことに気づく。

20人は栄養が十分でなく、1人は死にそうです。でも15人は太りすぎです。

すべてのエネルギーのうち20人が80%を使い、80人が20%を分け合っています。

75人は食べ物の蓄えがあり、雨露をしのぐところがあります。でも、あとの25人はそうではありません。そのうち17人はきれいで安全な水を飲めません。

現代は5Gの通信技術やら4Kや8Kの映像やら、人工知能や宇宙開発やら、これらの技術文明の進歩で誰もが利便性の高い、快適な生活ができると思っている。

しかし、ちょっと立ち止まってみたいと思う。これは決して地球上の全ての人が得ている状況ではないのだ。氷山の見えている部分より水の中のほうがずっと多いように。

このページをシェアする
  • ライン
関連タグ
  • 神津カンナ

作家、フォーラム・エネルギーを考える代表。長年に渡る執筆活動の傍ら、国内外のエネルギー関連施設や現場を取材し、暮らしの中のエネルギーといった視点で講演活動などを行っている。著書に『水燃えて火〜山師と女優の電力革命〜』『冷蔵庫が壊れた日』ほか多数。

pagetop