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甲斐みのり 中部伝統通信

No.
112
松本の歴史に触れられるホテル

2019.07.01

「松本ホテル花月」は、松本でもっとも歴史のある明治時代創業のホテル。ロビー、客室、レストラン、喫茶ルーム、ホテル内の随所に松本民芸家具が配され、柳宗悦はじめ民藝運動の同人たちも利用した。私が滞在した部屋に、柚木沙弥郎さんの絵が飾られていたのも嬉しい思い出。松本民芸家具の色目は深く濃く、目に優しく温かみに溢れ、心が安まるのを身を持って体験できた。宿泊せずとも、扉の上などところどころ漆喰のレリーフで飾られた喫茶室は誰でも利用可能。社長・松岡喜久子さんの手作りケーキがまた絶品で、素朴ながら芯が通った味わいも、民芸の精神に通じる。「松本民芸家具 中央ショールーム」「喫茶まるも」「開運堂」も徒歩圏内で、松本旅の拠点に役立った。

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静岡県富士宮市生まれの文筆家。旅、散歩、暮らし、雑貨、手みやげ、お菓子やパン、建築などをテーマに書籍や雑誌に執筆。著書は『ポケットに静岡百景』(ミルブックス)など多数。また、地域ごとに愛されているパンを紹介する『地元パン手帖』(グラフィック社)を元にしたガチャガチャが販売中。