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甲斐みのり 中部伝統通信

No.
118
香道を体験

2020.12.01

精神性と遊戯性がある香道。組香(くみこう)と呼ばれる複数人で香りを聞き当てる遊びもあるが、今回は一対一で香木と向き合う聞香(もんこう)を体験させていただいた。香炉の灰の中に燃料の役割を担う香炭団(こうたどん)をいけ込み、銀葉(ぎんよう)という薄い雲母片(うんもへん)を置く。雲母が熱したところで香木の小片をのせると、ほのかに香りが漂い始める。それから作法に則り香炉を手に取り、片手で香炉を覆って鼻に近づけ深い呼吸とともに静かに香りを聞いて記憶に留める。若宗匠・蜂谷さんの所作は流れるように美しく芸術的だった。聞香初体験の私はぎこちないながらも、沈香(じんこう)という天然の香木の深い香りに心の耳を傾けた。すると、胸の中に懐かしい気持ちや優しい情景が浮かび上がり、穏やかに心身が整うのを感じられた。

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文筆家。静岡県富士宮市生まれ。旅や散歩、手みやげ、クラシック建築、暮らしと雑貨などを主な題材に、書籍や雑誌に執筆。著書に『ポケットに静岡百景』など。最新刊は、これまでに綴った食にまつわる随筆を厳選し構成した『たべるたのしみ』(ミルブックス)がある。

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