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甲斐みのり 中部伝統通信

No.
118
香道の道具と花結び

2020.12.14

聞香のあとは、香木、聞香炉、袖香炉、志野棚、志野袋など、香道に用いられるさまざまな貴重な道具類を見せていただいた。志野流では、教本はあくまでも確認のためにあると考え、志野袋の花結びにいたっても、家元から口伝により伝授されるという。また、沈水香木(じんすうこうぼく)と呼ばれる香木は、自然に枯死したり、バクテリアによって朽ちた木の樹脂が土の中に埋もれている間に木質に沈着し、それを熱すると香りを発することを知った。何十年かけて偶然に採取される貴重な香木は、大地のエネルギーを蓄えた生き物。香木との対話は、心ある全ての生き物との対話にもつながるのだと感じることができた。

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文筆家。静岡県富士宮市生まれ。旅や散歩、手みやげ、クラシック建築、暮らしと雑貨などを主な題材に、書籍や雑誌に執筆。著書に『ポケットに静岡百景』など。最新刊は、これまでに綴った食にまつわる随筆を厳選し構成した『たべるたのしみ』(ミルブックス)がある。