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甲斐みのり 中部伝統通信

No.
124
唯一残る伊勢木綿の織元

2022.06.01

三重県の伝統工芸品に指定される伊勢木綿は、昔は庶民の日常着の着物生地に用いられてきた。単糸たんしというりの浅い糸を使っているのが特徴的で、一般的な木綿の織物に比べて糸の状態が綿に近いため、ふんわりとして肌触りがよく、しなやかでシワになりにくい。明治時代は三重県津市に100軒を超える伊勢木綿の織元があったが、戦後の繊維不況におされて現在は、臼井織布一軒のみが作り続けている。工場の一角には直売店が併設され、縞や格子の模様と鮮やかな色合わせがモダンな伊勢木綿の反物やバッグや小物類の加工品が取り揃う。一見すると現代風に見える鮮やかな木綿生地だが、明治から昭和初期にかけてのデザインを復元しているというから驚きだ。

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文筆家。静岡県富士宮市生まれ。旅や散歩、お菓子、手みやげ、クラシック建築、暮らしと雑貨など、女性が好み憧れる題材を書籍や雑誌に執筆。

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