看板犬も迎えてくれる
あたたかな心地の小部屋
café blanc
（愛知県江南市）

ひとりでカフェを訪ねて心ゆくまで憩う時間は、私にとって必要不可欠なもの。素敵な空間でおいしさをゆっくりと噛みしめながら、幸せに浸ったり、本を読んだり、書き物をしたり、頭を空っぽにしたり……。日々の疲れをやわらげて、またがんばろうと思わせてくれる。だから、ここのコンセプトが「ひとりでもゆっくりできるカフェ」だと聞いたとき、とても嬉しくなった。

アパレルショップと美容室もある建物の一室で、2022年の秋にこっそりとオープンしたそう。ドアを開けると看板犬のゆうじろうくんが真っ先に振り向いてくれて、なんともほっこり。アンティークや古道具が散りばめられた8席のみの小空間は、おしゃれだけれど力の抜けた空気が漂っていて心地いい。店主の人柄も親しみやすく、プライベートな部屋へお邪魔したような気分に。

お目当てのランチは、2・3種類から選べる月替わりのパスタ、ミニキッシュかフォカッチャ付きのサラダ、ドリンクのセット。まず運ばれてきたサラダは、ひと手間かけた旬野菜の副菜や具だくさんのキッシュなど、色とりどりでボリュームも満点。そして、この日に選んだ「小柱と枝豆のクリームパスタ」は、最後まで夢中で味わえる程よい濃厚さと、生麺ならではのモチモチ食感がたまらなかった。

ドリンクは自家製シロップがピリッと辛いジンジャーエールを、おやつはマロングラッセと生クリームが添えられた「栗と抹茶のパウンドケーキ」を選んだ。店主は甘いものが大好きらしく、ひとりで営んでいるのにチーズケーキ、マフィン、スコーンなど毎日10種類前後のおやつが用意されているのも嬉しい。

空間やメニューの魅力はもちろん、ゆうじろうくんに会うのを楽しみに来店するお客さんも多いとか。さまざまな飲食店に勤務してきた店主が自らカフェを開いた理由のひとつは、自宅にゆうじろうくんを残して出かけるのが心配だったから。ずっと一緒にいられる今は、穏やかな気持ちで働けているそう。ひとりでも寂しさを感じることなく、ほのぼのと和やかに過ごせるのは、かわいい看板犬が足元でくつろいでいるおかげかな。