カフェで見る景色(アーカイブ)

まるで木陰の心地よさ
庭と食で季節を楽しむ
NoKi(三重県いなべ市)

May 29. 2023(Mon.)

アイデアに満ちた
ここだけの味を求めて

毎年、新緑の季節になると、自然に身を浸せるカフェがとても恋しくなる。2022年6月のオープン以来、庭と料理が気になって訪ねる機会を心待ちにしていた場所へ。のどかな田舎の風景が広がる大通りから一本入ると、背丈の高い木々の茂る門口があり、奥にあるカフェまでの緑あふれるアプローチに胸が高鳴った。

店内からの景色も期待を裏切らず、三面にある大きな窓の外は様々な濃度の緑でいっぱい。落ち着いた色彩のインテリアと控えめに灯る照明のおかげで、その美しさが際立って感じられた。ぼんやりと眺めていたら、室内なのに木陰にいるような気分に……。

庭以外のお目当ては、看板メニューの「焼きロールキャベツ」。オーブンでじっくりと焼くことで、三重県産の三元豚“さくらポーク”のうま味や香ばしさを閉じ込めているそう。カットしたときに木の断面を連想させる丸い形も個性的。セットに選んだ白インゲン豆のポテトサラダ、自家製パセリバタートースト、コーンスープとともに味わい、なんとも幸せな満腹感を得られた。

もちろんデザートは別腹。これまた看板メニューである「森のミルフィーユ」は、サックサクのパイ生地の間に風味豊かなラム酒入りカスタードとマスカルポーネのクリームが交互に絞られていて、しばし見惚れてしまう愛らしさ。イメージしたのは木々が入り組む庭だとか。

25歳までは野球一筋だったという店主。ゼロから学び30歳で父親の営む造園会社の敷地に誕生させたカフェは、たちまち日々満席の人気店に。自然による景観の変化はもちろん、地産地消を心掛けた料理やスイーツも四季折々の新メニューが登場するので、季節を変えて訪ねてみたくなる。屋外に飲食スペースを設けるプランもあると聞いて、庭の草木とともにますます魅力的な場所に育ち、心地よさも増していくのだろうなと想像した。

「森のミルフィーユ」をアップルティーと。
季節のパフェやクラシカルなプリンなども人気。
いなべ「の木」と、軒下の「のき」が店名の由来。
また「o」は石ころで「K」は木と根のイメージ。
自然と調和する、上質な木材にこだわった内装。
各テーブルに生けられた草花にも心が和む。
名古屋の料理研究家の協力を得て開業した店主。
エプロンはコーヒーかすで染めたオリジナル。

店舗情報

NoKi(ノキ)
サステナブルな店づくりも意識しながら、
「人と自然が繋がる場所」をコンセプトにオープン。
毎朝、地元市場で採れたての食材を仕入れている。

Instagram
https://www.instagram.com/nokinoki_2022

MAP

〒511-0264三重県いなべ市大安町石榑東2443-5
電話番号:0594-37-6812
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