カフェで見る景色(アーカイブ)

美しいしつらえの中で
まだ見ぬ土地の味に感動
サヴォアのお菓子と料理
nitta(愛知県豊田市)

March 27. 2023(Mon.)

素敵なセンスに浸れる
料理とお菓子と空間

広い豊田市の中でも自然あふれる地域に建つ、シルバーのトタン張りの一軒家。小さな看板に手書きされたフランス語が目に入り、どんな意味なのか気になりながら入店すると、美しい異空間が広がった。まちまちなデザインの椅子、趣深い絵や写真、剥き出しの土壁など、シンプルだけれどスパイス的な要素が散りばめられていて、センスのいい友人宅へお邪魔したような気分に。

店名にあるサヴォアとは、フランスの南東部に位置する県のことで、美食の地として注目されつつあるそう。旅をして食文化や風土に魅せられ、現地のパティスリーやワイナリーで働きながら1年半ほど暮らした経験のある女性がひそやかにオープンさせた。

ランチタイムは設けられておらず、何時でも好きなように月替わりの単品を組み合わせて楽しむスタイル。まずはサヴォア産チーズと自家製ドレッシングが美味な「サヴォア風サラダ」、季節のソースと歯ごたえが魅力の手打ちショートパスタ「クロゼットサヴォア」を。食後にはプチデザートの盛り合わせ「カフェグルマン」と、市内の下山地区で無農薬栽培された煎茶をいただいた。

初めて口にする料理とお菓子なのに、どことなく懐かしさを感じる優しい味わいで、まだ見ぬ土地への興味は深まるばかり。デザートのひとつだった、14世紀が起源とされる素朴なケーキ「ビスキュイドサヴォア」は、予約すればかわいらしい形のホールごと購入できるそう。

ちなみに、看板のフランス語は「小さなサヴォアはここです」という意味だとか。のどかな景色を眺めながら、異国の味を自由に満喫するひとときは、大好きな旅の最中のような高揚感と幸福感をもたらしてくれた。

豊田産の小麦粉や卵を使った焼き菓子は、
飾らないおいしさ。店主の好きな作家の器も素敵。
よく遊びに来ていたという昭和築の祖母宅を改装。
レトロな器類なども受け継いで使っている。
中学生の頃からカフェ開業を夢見てきた新田さん。
国内のレストランなどでの修業経験もある。
席によって趣や眺めが異なる、5卓のみの小空間。
ワインを片手につまむ現地の習慣“アペロ”も似合う。

店舗情報

サヴォアのお菓子と料理
nitta(ニッタ)
「大好きなサヴォア地方の魅力を伝えたい」と
2022年夏に開店。サヴォア産のワインやチーズも揃い、
少ない営業日ながらさまざまな過ごし方ができる。

Instagram
https://www.instagram.com/nitta.nico

MAP

〒470-0423愛知県豊田市田茂平町道下50-3
電話番号:0565-77-4940
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