カフェで見る景色(アーカイブ)

手紙を受け取ったような
あたたかさに包まれて
Letter(岐阜県羽島市)

February 28. 2024(Wed.)

思わず笑みがこぼれる
愛らしい空間とおやつ

手紙を送るのも受け取るのも好きなので、店名を耳にして訪ねてみたくなった。2023年6月にひっそりと生まれた、テーブル2卓とカウンター3席の小さな小さなお店。心ときめく姿のマフィンやパンが並んだショーケースの向こう側で、朗らかな笑顔の店主が迎えてくれた。

まずは遅めの朝食に、明太子パンと静岡産の和紅茶をオーダー。ともに営むお母さまの作るパンは、いつも定番と日替わりの3種類ほどが並ぶとか。むちっとしたセミハードな食感と、どこか懐かしい素朴な風味に満たされた。ちなみにパンもマフィンも、早朝から焼き続けて10時のオープンに間に合わせるという。

その後は、楽しみにしていた看板メニューの「たんぽぽcake」をブレンドコーヒーといただいた。ぷくぷくしたビスキュイで果実とクリームを挟んだケーキは、たんぽぽの花をイメージして考案したそう。季節で内容が替わり、訪問時はオレンジショコラ。これまでもパイナップルカスタードやいちじくアールグレイなど、聞いてそそられる組み合わせばかり。ビスキュイとクリームが織りなす優しい口当たりに癒やされて、幸せな朝だなぁとしみじみ……。

「高校生の頃から、いつかカフェをやりたいってふわふわ思い続けていたんです」と店主。製菓学校へ通い、結婚式場でウェディングケーキのパティシエとして働いた後、岐阜駅近くの菓子店「thé et toi.(テト)」で接客も経験。この物件が空いたことを聞き、自ら改装にも携わって夢をかたちにした。手紙を受け取ったときのようなほっこりとした気持ちになってほしいという願いを込めた店名は、ずっと前からあたためていたのだそう。

木やカゴや漆喰などの天然素材とかわいい雑貨に囲まれて過ごすお茶の時間は、まさにほんわかとした心地よさ。おやつを食べながら読書する人、子連れでパンを買いに来る人、オーダーケーキの相談をする人など、次から次へと常連さんが来店し、とても嬉しそうに帰っていく姿が印象的だった。「笑顔になってもらいたいという想いが、ずっと私の軸なんです」と話してくれた店主。私も帰り道には、優しい手紙を読んだ気分になって笑みがこぼれた。

「たんぽぽcake」と「珈琲 Yu-A(ゆーあ)」の豆で
淹れるコーヒー。器は陶器市などで見つけたもの。
店主の“好き”が詰まった空間。親しみやすさや
丁寧さを大切にできる、この広さが最適だという。
イートイン限定の「米粉のテリーヌショコラ」も。
濃厚なチョコに岩塩とブラックペッパーが好相性。
バナナがごろっと入ったマフィンや、米油使用の
クッキーなど、持ち帰った焼き菓子も美味だった。

店舗情報

Letter(レター)
ぬくもりのあふれる菓子店&カフェ。マフィン、パン、
パウンドケーキ、クッキーのほか、イートイン限定の
スイーツが用意されている。オーダーケーキも魅力的。

MAP

〒501-6233岐阜県羽島市竹鼻町飯柄103-1
電話番号:050-8890-5223
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