中部和菓子図鑑

高島屋の和菓子バイヤーが中部地域注目の和菓子をご紹介

「うかい鮎」
亀甲屋本舗・岐阜県岐阜市

July 17. 2023(Mon.)

岐阜のお土産であり、
地元っ子のおやつでもある
「うかい鮎」

5月11日から10月15日は、長良川の鵜飼がおこなわれている期間で、岐阜市の観光トップシーズン。長良川の鵜飼は観光客向けだけではなく、御料鵜飼として皇室の保護のもと、日本の伝統文化である鵜飼漁を伝承する役割も担っています。さらに長良川は、名水百選や日本の水浴場に選定されるほどの清流としても知られています。つまり、岐阜市民にとって長良川と鵜飼は観光資源であるとともに、誇り高きふるさと自慢でもあるのです。
それを象徴するかのように、岐阜市内のほとんどの和菓子屋さんで作られるのが“鮎菓子”。カステラ生地に求肥(餅粉や白玉粉に砂糖や水飴を加えて練り上げたもの)を巻いて、鮎の形に成形し、鮎の顔を模した焼印を押したものを一般的に鮎菓子と言います。お店ごとに鮎の顔つきが違っていたり、中に入れるものが変わったりするのです。

亀甲屋の鮎菓子は「うかい鮎」という商品名。スッキリとした顔つきで、なんとも愛らしい表情です。亀甲屋を代表する銘菓なので、出張に出掛ける時や遠方の友人への定番手土産としている人も多いことでしょう。そして地元っ子にとっては、“ちょっとお茶しよう”という時の定番の和菓子でもあります。
「うかい鮎」は、抹茶やコーヒーの区別なく喫茶文化が発達した岐阜ならではのおやつなのです。

小麦粉や卵、砂糖などを混ぜた生地を
熱した銅板に丁寧に流す。
求肥(ぎゅうひ)を一本ずつ置いていく。
求肥をくるんで皮を鮎の形に成形する。
鮎の顔を表す焼印を入れて完成。

店舗情報

亀甲屋本舗
岐阜駅から柳ヶ瀬を通って長良川方面へと北に伸びる“長良橋通り”沿いにある亀甲屋。長良川にもほど近く、鵜飼乗船場や格子戸の古い家が建ち並ぶ川原町も徒歩圏内で、観光ルートの寄り道スポットになっている。鮎菓子や最中などの代表銘菓をはじめ、岐阜の土産菓子から普段使いのお菓子まで幅広い商品を揃えた地域に愛される和菓子店。

MAP

〒500-8082岐阜県岐阜市矢島町1−68−1
電話番号:058-265-1234
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