中部和菓子図鑑

高島屋の和菓子バイヤーが中部地域注目の和菓子をご紹介

「銀杏餅」(ぎんなんもち)
和菓子司 松花堂(しょうかどう)
・岐阜県岐阜市

November 20. 2024(Wed.)

松尾流家元好みで知られる
秋のお茶席の銘菓

中部地域の和菓子屋の特徴のひとつに、生菓子や干菓子、団子や大福などあらゆる種類の和菓子を同店舗でつくって販売するという幅の広さが挙げられます。
茶の湯が盛んな岐阜市でもその傾向は強いのですが、ここ、松花堂は創業当時からお茶席で使われる質の高い上生菓子にほぼ専念していることで知られています。

今回ご紹介する「銀杏餅」は秋を代表する生菓子のひとつ。ういろう生地に、すりつぶした岐阜県羽島産の銀杏が練りこんであり、銀杏のホクホク感と独特の風味と、もっちりしたういろうの相性が見事。この生地に包まれたこしあんの上品な甘みと銀杏のほのかな苦みが不思議と口の中で調和します。

この逸品は、茶道・松尾流の十世家元であった不染斎(ふせんさい)が好んだと伝えられており、毎年、伊奈波神社でおこなわれる松尾流による献茶式に使われています。
また、お茶席用の正統派の上生菓子というだけでなく、コロンとした形のかわいらしさや、ヒスイのような美しい緑色も魅力のひとつ。こんな宝石のような美しいお菓子は、目で見て楽しみ、味わって愛でたいもの。午後のゆったりしたお茶タイムにはぴったりのお菓子です。
抹茶や煎茶だけでなく、コーヒーや紅茶など、いろいろなお茶との相性を試して楽しんでください。

ういろう生地を一枚ずつ丁寧にのばしていく。
丸めたこしあんを、ういろう生地に
入れて、つつみこんでいく。
銀杏のように丸く形づくって、成型する。

店舗情報

和菓子司 松花堂 (しょうかどう)
岐阜市内でも有数の社格である伊奈波神社の参道沿いに店舗を構える。昔ながらの伝統的な商家らしい木造建築で、お茶席用や来客用のお菓子を求める人が次々と来店する様子は、創業当時から変わらない風景である。

MAP

〒500-8084岐阜県岐阜市松屋町1-5
電話番号:058-262-5741
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