高島屋の和菓子バイヤーが中部地域注目の和菓子をご紹介
大垣の地で約160年
今もヒット商品を生み出す老舗
餅惣(もちそう)・岐阜県大垣市
January 15. 2025(Wed.)
藩医から和菓子屋へ
大垣城とともに歩む歴史
餅惣の創業は、1862年。160年を超える長い歴史を持ち、幕末から現在に至るまで大垣の地で和菓子屋として時を刻んできました。
「先祖はもともと藩医(江戸時代、藩に仕えた医者)をしていたと聞いています。和菓子屋をはじめた理由ははっきりとはわかりませんが、店は今よりもすこし東に構えていたそうです。明治初期に今の場所に移転しました」と店主の鳥居清さん。店名である餅惣の“惣”は、創業者の名前・惣助からとられたものなのだとか。
鳥居さんは餅惣の6代目で、子どもの頃から和菓子づくりの現場を近くで見てきたこともあり、ごく自然に和菓子屋の道を選んだそう。浜松の和菓子屋で修行をした後に、家業に戻ってきました。
おはぎや水まんじゅう、ニッキ餅、黒糖ういろうなどの定番商品に加えて、商品の数をすこしずつ増やし、「ピスタチオのおはぎ」をはじめ、「最中とサブレ」のシリーズなど、ヒット商品を生み出しています。
【店舗おすすめ】
「最中とサブレ」
和の最中と洋のサブレがドッキングした「最中とサブレ」シリーズ。通年で販売されている人気の商品です。
和菓子の最中の皮に洋菓子のサブレ生地を詰め込んでいて、サブレ生地はアーモンド、抹茶&白胡麻、ココア、きなこ、味噌、ピスタチオ&松の実、オオガキ珈琲など種類豊富。
中でも、ピスタチオと松の実は、最中の皮に大垣城の四重のお堀を思わせるデザインがほどこされ、大垣城に伝わる“おあむの松”伝説にちなんで松の実をトッピングしています。また、オオガキ珈琲は、大垣にゆかりのある江戸時代の医者で蘭学者の宇田川榕菴(ようあん)が「珈琲」という漢字を考案したことから、地元の有志で珈琲をいろいろな商品に展開しようというプロジェクトの中から生まれた味です。
このほか、同シリーズには「合戦まっ最中!」というユニークな名前のお菓子も。石田三成をイメージした三成きつねと、味噌の風味がひろがる家康たぬきの2種類で構成され、かわいらしいパッケージが目印。第25回全国菓子大博覧会において茶道家元賞を受賞しています。
店舗情報
- 餅惣(もちそう)
- JR大垣駅から徒歩約10分、大垣城のお膝元に位置。毎日通うご近所の方から、手土産にと大量の紙袋を抱えて車に乗り込む方まで、入れ代わり立ち代わりお客さまがやってくる。