クリス・グレンの教えて!グッドジェネレーション(アーカイブ)

【番外編】
ガラス・器を追求する
200年企業
石塚硝子株式会社(愛知県岩倉市)
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November 13. 2023(Mon.)

「交流Style」の前身「交流」で、過去にご紹介した企業の今を探ります。
今回は、2019年と2020年の2回ご登場いただいた、石塚硝子株式会社をご紹介します。
愛知県岩倉市に本社工場を構え、ガラス製品を主力とし、紙容器やペットボトルなどの器製品も手掛ける同社。
創業は、なんと1819年! 日本のガラス産業を牽引してきた企業です。
今回は、その歴史と事業内容をご紹介します。

過去の紹介記事はこちら
【「交流」no.112 P10〜12】
【「交流」no.118 P7】

明治時代に作られた吸い玉(左)。
石塚硝子の製品のうち、現存する中で最も古い。

社の歴史は200年超!
愛知県が誇る老舗企業

創業は江戸時代後期の1819年。武士の家の次男として生まれた石塚岩三郎氏が長崎でガラスに出合い感銘を受け、現在の岐阜県可児(かに)市で製造に乗り出しました。尾張藩主・徳川慶勝公からビードロ細工の注文を受けていたそう。2019年の取材時、その話を聞いた日本史が大好きなクリスさんは興味津々でした。

その後、明治〜昭和初期にはガラスびんや容器、電球など、実用品が大量生産されるようになったことで、ガラス産業が発展。そんな時代背景とともに石塚硝子も成長していきます。
1972年には、プラスチック容器の製造をスタート。以降は、紙容器やペットボトルの製造にも取り組み、総合容器メーカーとして、さまざまな製品を生み出してきました。

初代・岩三郎氏が使用していたという、
ガラスを溶かす「るつぼ」。
戦後間もない頃に製造されていた電球。

熱気あふれる工場で
美しい製品が生まれる

2019年に、本社・岩倉工場でジュースグラスの製造ラインを見学させていただきました。
溶解炉の火を常に絶やさず、24時間体制で機械が動いています。その熱気や、大きな設備が稼働している様子は圧巻!
また、本社内のショールームでは石塚硝子の製品をいろいろと拝見し、長い歴史の中で素材の発展や変化、消費者のニーズに柔軟に応えて製品づくりに挑戦してきたことを垣間見ることができました。

次々と製品ができあがっていく。
ショールームには、歴代の商品が並ぶ。

新素材の研究にも取り組み
コロナ禍で抗菌材が注目される

長年、ガラス製品の製造をおこなう中で、素材の研究にも注力してきた石塚硝子。その技術を利用して新たな素材を生み出してきました。
例えば、シリコンのように柔らかい「有機無機ハイブリッドガラス」。樹脂に比べて熱や光に強く、硬度も変えられるそう。
また、無機材というガラスの特性を活かし、抗菌効果がある「イオンピュア」や消臭効果を持つ「消臭ガラス」といったマテリアルの開発もおこなっています。

特に、コロナ禍で抗菌材の注目度は急上昇し、一時は海外市場でも需要が非常に高まりました。

「イオンピュア」(上)と「消臭ガラス」(下)。
石塚硝子株式会社
1819年、石塚岩三郎氏が岐阜県可児市でガラス製造を開始。1888年に名古屋へ移転し、1961年に岩倉工場が稼働を開始する。数々のガラス製品を製造するほか、紙素材の容器、ペットボトル(プリフォーム)事業、また機能性マテリアルの研究・開発をおこなっている。

愛知県岩倉市川井町1880(本社)
0587-37-2111
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