
年間300件以上のお店をめぐる編集者・かにぃさんが中部地域のカフェをご紹介
元・大浴場の和みカフェ
東雲色の空間と足湯でゆるり休息
温泉喫茶si no no me(愛知県蒲郡市)
February 26. 2026(Thu.)
温泉をたたえた足湯や
独創的なスイーツを楽しむ
夜明け前、空が白み始める頃に現れる、日の光が差し込むような黄みがかった赤色のことを東雲(しののめ)色と呼ぶ。愛知県が誇る名湯、西浦温泉「銀波荘(ぎんぱそう)」に併設する「温泉喫茶si no no me」は、その名の通り、柔らかな東雲色に彩られた空間でゆったりと過ごせるカフェだ。
目の前に広がるのは陽光に輝く三河湾。海岸に沿ってのんびりと散歩する人々の姿も見られる。大きなシンボルツリーが目を引くテラスには、美肌になるといわれる温泉「美白泉」をたたえた足湯も。「季節や時間によって刻々と移り変わるこの美しい景色を、多くの方々に楽しんでいただきたいと考えて、2023年にオープンしました」と安藤壽子専務は話す。
店内は以前大浴場だった場所をリノベーション。丸い浴槽内の段差はベンチチェアとして利用し、床や排水口はそのままに、湯殿の名残をとどめている。テーブルが配されたフロアはかつての女性用の大浴場。更衣室の棚だったところには、絵本や写真集、エッセイなど多様な本が並び、さながら小さなライブラリーだ。開放的な窓際に設けられたカウンターにはコンセントも備えられ、「ここでワーケーションをされる方もいます」との担当者の言葉にうなずく。海を眺めながら本を読んだり、仕事をしたり。思い思いのスタイルで過ごせるのが魅力だ。
メニューは地元の素材を使ったドリンクやスイーツが揃う。今回は蒲郡みかんを使用したクリームソーダと、軽食として楽しめるワッフルをオーダー。契約農家から仕入れる無添加のみかんでつくった自家製ジャムは甘酸っぱくコクがあり、爽やかなソーダとよく合う。ワッフルには、豊橋市の食肉加工会社「サントアマロ」のハムが添えられている。塩と胡椒、ガーリックだけでつくられたシンプルなハムは肉の旨味が濃厚。オーダーを受けてから焼き上げるワッフルはサクサクと軽い食感で、ほのかな甘味とハムのほどよい塩味のバランスが抜群だ。
海を見ながらクリームソーダとワッフルをゆっくりと味わった後は足湯へ移動し、テイクアウトできるホットドリンクを片手にまたのんびり。体が芯から温まり、気持ちもホッと和む。空も海も茜色に染める夕日を見ながらしばし日常を忘れて心を解放する、そんなゆるやかな時間を思う存分満喫できるカフェだ。


当時の面影を残しつつ、お洒落な空間に。


スペース。本は自由に読むことができる。


一休み。時間帯によって見える景色は変わり、
夕暮れ時は幻想的な雰囲気に。


ワッフル。サクサクと軽い食感で、
フルーツがのったスイーツワッフルも。


季節限定。爽やかなサイダーは
この景色ともよく合う一品だ。
店舗情報


- 温泉喫茶si no no me
- 老舗温泉旅館の歴史のある大浴場を改装した、非日常を味わえるカフェ。「美白泉」をたたえた足湯と三河湾の絶景を一度に楽しめる。東雲色の店内は当時の面影を残す。





