気ままにカフェめぐり

年間300件以上のお店をめぐる編集者・かにぃさんが中部地域のカフェをご紹介

老舗酒蔵の技術が光る
発酵メニューを“蔵カフェ”で楽しむ
蔵cafe一合(愛知県岡崎市)

June 04. 2026(Thu.)

酒粕や甘酒をたっぷり使った
ハンバーガーやスイーツを味わう

風薫る初夏の一日、自然豊かな岡崎市の山中へドライブ。木漏れ日に輝く新緑の山道を抜けていくと、この地で9代にわたって酒造りを行う老舗「柴田酒造場」にたどり着く。その敷地内にあるのが、2020年にオープンした「蔵cafe一合」だ。
もともと米の貯蔵蔵であったという築140年の建物は、梁がむき出しの高い天井や広い土間、重厚感のある扉など随所に歴史が感じられる佇まい。趣のあるテーブルやイス、ソファもしっくりとなじみ、居心地がいい空間だ。カフェをオープンしたきっかけを尋ねると、「岡崎の美しい自然とともに、お酒を飲まない人にも甘酒や酒粕を使った料理やドリンクを楽しんでもらいたいと思ったから」と店主。長年培ってきた発酵技術を駆使した多彩な料理や、日本酒の仕込み水「超軟水神水(かんずい)」を使用したドリンクを提供する。発酵料理や仕込み水のドリンクと聞くと、どこかくせがありそうと感じる人もいるかもしれないが、この店のメニューはどれも世代を問わず好まれる優しい味わい。「小さなお子さまからご高齢の方まで、本当にいろいろな世代の方々にご来店いただいています」という店主の言葉にもうなずける。また自社の甘酒や酒粕だけではなく、地元の食材もふんだんに取り入れていることもこだわりのひとつだ。

今回ランチに注文したのは、人気メニューの一合バーガー。酒粕を練り込んだバンズは岡崎の「SASAGO BAKERY」にオーダー。口に入れると柔らかくてほんのりと甘く、ほのかに酒粕の香りが漂う。パテも地元の「高橋精肉店」が自社牧場で肥育した新鮮な牛肉を使用。肉の旨味がしっかりと際立ち、食べごたえ抜群だ。インパクトがあるこのパテに合わせるバーベキューソースは、醤油麹やにんにく麹、八丁味噌やスパイスで仕上げた自慢の味。コクと旨味が濃厚で、パテのおいしさを存分に引き立てている。
このハンバーガーにぜひプラスしたいのが、白味噌やにんにく麹、酒粕、季節の野菜を使ったポタージュスープ「ミニかすぽた」。とろりとした口当たりとまろやかな味わいで自家製ベーコンもたっぷりと入り、これだけで満足感のある一品だ。

デザートには、甘酒と炭酸で仕上げる白い麹ソーダと、3種のスイーツが盛られた発酵スイーツ食べ比べを注文。この日のプレートは、大吟醸の酒粕とクリームチーズの相性が抜群の爽やかなチーズケーキ、麹の豊かな香りが広がる甘酒のジェラート、甘酒と酒粕を生地に練り込んだ蔵マフィン。どれも個性豊かな味わいで、口にするたびに幸福な気持ちになる。

岡崎市の中心部から離れた、大自然の中に佇む。
広大な酒造場の一角にある蔵をリノベーション。
歴史を感じさせる店内は随所に当時の面影を残す。
和モダンな空間は居心地も抜群。
確かな発酵技術や質の良い日本酒の仕込み水を
メニューに使えるのは酒造場ならでは。
1階には、酒造りの様子をおさめた写真が。
地元精肉店のパテと自社の発酵技術を活用した
ソースが絡むハンバーガーは自慢の一品。これを
目当てに遠方から足を運ぶ人も。
3種の発酵スイーツ食べ比べができるプレートは
このカフェにきたら注文必須の一皿。

店舗情報

蔵cafe 一合
岡崎市の老舗酒造「柴田酒造場」が2020年より営む米の貯蔵蔵をリノベーションしたカフェ。日本酒仕込み水、超軟水神水(かんずい)を使用したこだわりドリンクや自家製発酵のメニューのほか、夏季(6月~10月頃迄)はかき氷も提供する。酒を飲まない人も楽しめるメニューが充実している。

MAP

〒444-3442愛知県岡崎市保久町神水39
電話番号:090-6136-3712
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