年間300件以上のお店をめぐる編集者・かにぃさんが中部地域のカフェをご紹介
夫婦のこだわりが詰まった
森の小さなカフェ
Café CREEK(長野県安曇野市)
July 26. 2024(Fri.)
旬のフルーツが
盛りだくさんなタルトと
バランス重視のランチが人気
北アルプスの麓、のどかな田園風景が広がる長野県安曇野市。緑生い茂る森が広がり清らかな小川・水路がめぐる、豊かな自然に心がホッと癒やされる場所だ。そんな美しい安曇野の森の中にひっそりと佇む1軒のカフェ。アイボリーの外壁によく似合うブルーグレーの扉が印象的で、まるでヨーロッパの民家のようだ。
「大好きなイギリスとフランスのミックス、プラス安曇野をテーマにして建てました。自宅のようにくつろげるカフェがコンセプトです」と店主夫妻。東京で音楽関係の仕事に就いていたが、長年抱いていたカフェオープンの夢を叶えるために2017年に安曇野へ移住した。「松本が好きでいい場所を探していましたが、まちの中だと都会と同じような気がして。それよりは、緑に囲まれたカフェがいいと思いました。ここは敷地の横に小さな川が流れているのが気に入って、店名の“クリーク(小川)”もそこから決めたのです」と笑顔だ。
ここで味わえるのは、手間暇かけてつくられるランチやスイーツの数々。素材は旬と鮮度にこだわり、地元のものを中心に使う。特に人気を呼ぶのは、季節のフルーツをふんだんに使ったタルトだ。地元産 の濃厚な卵と芳香な発酵バターでつくる厚めのタルト生地は、軽さの中にほどよいしっとり感があり、甘さ控えめの生クリームとフレッシュなフルーツとも相性抜群だ。夏には地元の夏秋イチゴを使ったタルトも登場。甘味と酸味のバランスが見事なイチゴをたっぷりと楽しんでほしいと、生クリームが見えないくらい載せるのがクリーク流だ。
これらのタルトに合わせるコーヒーは松本市の自家焙煎コーヒー専門店の豆を使用。「すっきりとして香りがいいブレンドとコクが深いエスプレッソ、どちらもタルトによく合いますよ」と店主が太鼓判を押す。紅茶はイギリスの「Brew tea」。香り豊かなアールグレイはまさに贅沢な一杯。
ランチで評判なのは、世代を超えて愛されるハンバーガーだ。これも「山のように具が入るものは味のバランスがよくないから」と、アメリカで食べた「イン・アンド・アウト・バーガー」をお手本に、オリジナルバーガーを考案。主役のパテは、イギリスで食肉加工会社を営む友人からレシピを伝授された。粗挽きで全くつなぎを使わないので肉の旨味が濃い。しっかりとした食べごたえは、まるで“挽き肉のステーキ”。ほかにも、スパイスをきかせたタンドリーチキンや、肉が苦手な人のためにスモークサーモンのキッシュも用意。「いろいろな世代に楽しんでほしいから、メニューはすべてバランスを重視しています」という心配りも嬉しい。
ランチやスイーツを味わいつつ、おしゃべりを楽しんだり、一人の時間をのんびりと満喫したり、過ごし方はさまざま。「長居する方が圧倒的に多いですね」という店主の言葉にも納得の、居心地のいいカフェだ。
店舗情報
- Café CREEK
- 安曇野市の大自然に囲まれた小さなカフェ。そばには小川(CREEK)が流れる。美しい新緑に囲まれ、ヨーロッパの片田舎を彷彿とさせる佇まいだ。