見渡す限り広がる雄大な太平洋！
時を忘れて過ごしたい、
海と空の絶景カフェ
晴れとsora cafe
（静岡県 御前崎市）

静岡県最南端、360℃の大パノラマを望む岬、御前崎。県内屈指の観光地としても知られ、週末ともなれば県内外から多くの観光客が訪れる人気のスポットだ。そんな風光明媚な岬の高台に、小さなカフェがある。
店に入ると目に飛び込んでくるのは、遮るもののない太平洋の絶景。壁一面の窓に沿って設えられたカウンター席に座って彼方に広がる水平線を眺めれば、まさに地球の丸さを実感できる。「この景色を楽しみながらゆっくりしてほしい、というのが店のコンセプトです」と話す店主。以前は店主のお母さんがここで鮮魚を使った定食の店を営んでいたが、高齢となり閉店。リノベーションし、新しく『晴れとsora cafe』として引き継いだ。「最後まで店名が決まらなくて、カウンターに座って海を見ながら考えているうちに、ああ太陽に輝く海と青い空がきれいだなあと思って、それでこの名前にしました」と笑顔で応える。
メニューはホットサンドやスイーツ、ドリンクの軽食が中心だが、いずれも手間暇かけたものばかり。中でも評判を呼ぶのはキーマカレーだ。タマネギやズッキーニ、パプリカなどの野菜を使い、クミンシードやコリアンダー、カルダモンなど数種類のスパイスで仕上げるカレーは、コクを出すためにエスプレッソを加えるのがお店流。食べた瞬間スパイシーな香りが鼻に抜け、刺激的な辛さの奥に野菜の甘味、挽き肉の旨味が感じられる大人のカレーだ。カリッと香ばしいオニオンフレークも小気味よいアクセント。味、香り、食感のすべてが整ったひと皿はくせになる味わいでリピーターも多く、休日にはすぐに売り切れてしまうというのも納得できる。
味わい深いカレーで満たされた後は、個性豊かなドリンクとスイーツも楽しみたいもの。夏の海を思わせるコーラルブルーが印象的なブルーラグーン はさっぱりとした甘さ。ごろごろとリンゴを入れてシナモンをきかせたアップルタルトとの組み合わせは、ちょっと贅沢なティータイムにぴったりだ。エスプレッソマシンで丁寧に淹れるコーヒーも、「ぜひ味わってほしい」と太鼓判を押す一杯。ビターチョコレートを彷彿とさせるほのかな甘さ、酸味、コクのバランスが抜群で、スイーツの優しい甘みをより一層引き立てる。
陽光にきらめく昼間の海を眺めながらこれらのメニューを楽しむのもいいが、夕方もまたおすすめ。日が沈むにつれて海と空の青から紫へと変わり、やがて水平線にオレンジの光が輝き、あたりがゆっくりと群青色に染まっていく。時を忘れて眺めていたい絶景だ。「雨が降った後は、海から空に伸びるように虹がかかって、それも本当にきれいですよ」と話す店主の言葉に誘われて、雨の日にもまた訪れたくなる。