番外編
「子育て支援」「みんなの応援」
がコンセプトの新施設
北極しろくま堂有限会社
代表取締役　園田正世さん （2/3）

「北極しろくま堂」は、もともと駿府城公園からほど近い静岡浅間通り商店街にありましたが、2023年3月に移転。オクシズエリアである静岡市葵区平野に拠点を移しました。
そしてその翌月に、同社の新施設「こぐまPlace（プレイス）」がオープンしました。

「だっこ・おんぶは、子育ての中でも欠かせない基本的なおこないです。しかし、子育ては、乳幼児期だけではなく、その先もずっと続きます。『こぐまPlace』は、だっことおんぶの前から、そしてずっと後までを支援したいという思いから計画が始まりました。気軽に人々が交流できて、助け合いや支援が広がり、また自由に個人がやりたいことを企画・実行できる場があれば、もっと皆さんが自分の人生を楽しめるのではと考えました」

テーマは、「ありのままの自分とであう」。
コンセプトは、「子育て支援」と「みんなの応援」。
大人も子どもも健やかに暮らしていくための支援をおこない、そして、あらゆる人のどんなステージでも応援していくことを目指しています。

「こぐまPlace」の開業は、これまで静岡市の商店街の一角を拠点に運営してきた「北極しろくま堂」にとって大プロジェクトです。
「この土地は私の親戚が所有していて、私に何かに使ってほしいと相談されていました。とはいえすぐにどうしようという話ではなく、頭の片隅にあった程度でした」
そんな中、新型コロナウイルスが流行。同社も打撃を受けました。
「コロナ禍になり、商品を手にとってもらえる頻度が減ってしまいました。当社の商品は、見栄えや流行ではなく、両親学級などで医療者や専門家に紹介していただくことで広まり、売れていたことを思い知りました。情報も道具も人を介してつながることで、より相手の心に届く。そうしたつながりを丁寧に紡いでいくことで、生活が素晴らしいものになるのだと気付かされました」

そうして、子どもと親だけではなく、訪れる人たち皆が交流を重ね、楽しんで充実した時間を過ごすための施設という構想が浮かびました。

「当社は、だっことおんぶの専門店ですが、そのずっと前から人生が終わるまでをそっと後押しするような、横にいて一緒に歩くような、そんな応援する立場でいたいと考えました」

広い敷地には、さまざまな施設が配されています。
大・中・小のセミナーが可能で、オンライン配信にも対応している「セミナー室（こぐま棟）」。染め織り工房には、手織機があり、専門家による染め織り教室の開催も。また1日から借りられるレストラン「チャレンジレストラン（おおぐまキッチン）」では、夢だった飲食店の開業も。小規模の料理教室やグループでの調理ができる「体験キッチン（こぐまキッチン）」。さらに、アウトドア系の講演やキッズイベントに利用できる「野外ステージ（滝見ステージ）」、築280年の元庄屋の古民家なども。
「敷地全体は傾斜があり、バリアフリーではありません。しかし、来場した皆さんが譲り合い、助け合って利用してもらうことで、素敵な場所になるはずです。抱っこ紐やおんぶ紐の無料貸出もありますよ」