煌めく巨大万華鏡と
光と色が織りなすガラス作品を体感
三河工芸ガラス美術館
December 26. 2023(Tue.)
万華鏡は覗いて楽しむものだけれど、その中に入ってみることが出来たら…?
そんな夢のような体験ができるのが、愛知県西尾市にある三河工芸ガラス美術館。
2000年にギネスに認定された巨大万華鏡「スフィア」や全面鏡張りの彫刻鏡の部屋「四季」をはじめ、ただ観るのではなく「体感する」ことを重視したミュージアムだ。今回は、フォトジェニックで幻想的な光と影が織りなすガラスの世界へと旅に出た。
「観る人と作品の距離を限りなく近づけたい」
を再現した美術館
この美術館の作品は、ほとんど館長の神谷一彦さんが1人で制作しているそう。
神谷さんの作品を中心に、国内外のアーティストの作品が展示されている。
1階の受付から2階の展示室へ。ここには1点もののガラス工芸品が置かれている。
「万華鏡の中に入ったら、どんなに素敵だろう」
そんな館長の想いをかたちにしたのが巨大万華鏡「スフィア」。スフィアとは、球・天体という意味だ。
長さ7.36m、幅3.1m、高さ2.55mの大きさを誇り、当時世界最大の万華鏡として2000年にギネス認定された。
真っ暗な入り口を入ると、トンネル型の空間に。約2分間のプログラムが始まる。宇宙空間のような演出に圧倒された。
ぐるぐると絵柄が回転し、1度たりとも同じ景色はない。その映像に迫力ある音も重なり、不思議な感覚に陥る。
スフィアを抜けると、ガラス工芸品が並ぶ展示コーナーへ。
スフィアと並び目玉となる作品が、彫刻鏡の部屋「四季」。
鏡面に、砂などの研磨材を吹き付ける加工法「サンドブラスト」で四季折々の植物が彫刻されている。CP制御により季節が移ろい、花吹雪や落葉、雨や雪が舞う。
四方が鏡で囲まれており、合わせ鏡の効果で部屋全体の境目がなくなって見える。どこまでもこの空間が広がっているかのような錯覚に。
3階は、生活とガラスアートがテーマ。
暮らしに愉しさをそえるガラスアートや、特殊な万華鏡がずらりと置かれていた。
どこにもない空間、工芸品とアート、万華鏡による不可思議な映像が掛け合わさってできた美しい世界。
館長の「誰もやったことのない、とてつもなく美しいものを作りたい」という言葉の通り、この三河工芸ガラス美術館には想像を絶する景色が広がっている。
MAP
愛知県西尾市富山町東郷5