おとなの相談室

知っているようで知らなかった悩みに、専門家がお答えします

はじめての観葉植物
育てやすい種類を選ぼう
(1時間目)

July 17. 2025(Thu.)

ひとつあるだけで、空間に心地良さをプラスし、優しい雰囲気を与えてくれる植物。興味はあっても、「日々の世話が大変そう」「枯らしてしまわないか心配」と二の足を踏む人も少なくないでしょう。
今回は、植物のエキスパートである「garage NAGOYA」店長の川橋昌展さんに、植物と暮らす魅力や初心者におすすめの観葉植物、購入する際にチェックするポイントを教えてもらいました。

garage NAGOYA 店長
川橋昌展さん
「クワズイモ」(サトイモ科の植物)に魅了されたことをきっかけに、さまざまな観葉植物の育成に熱中する子ども時代を送る。「植物と暮らす」をコンセプトとする株式会社ガレージに勤務し、「garage NAGOYA」のオープニングメンバーとして立ち上げに参加。豊富な知識を生かし、植物を迎える人に対して多岐にわたるアドバイスをおこなうほか、仕入れにも携わる。
https://garage-garden.com/shoplist/garage-nagoya/
https://www.instagram.com/garage_livingwithplants/

1時間目

初心者に適した種類と
健康状態の見極め方

観葉植物と暮らしてみる。
生活はどう変わっていく?

「観葉植物」とは、主に熱帯・亜熱帯地域が原産の観賞用の植物です。室内という人工的な空間で育てることを前提としているため、植物の健康を人間がきちんと管理する必要があります。そう聞くと大変難しそう、と感じるかもしれませんが、ポイントを押さえれば初心者でも十分育てられるのでご安心ください。

日々の世話を通して、新芽が出たり花が咲いたりといった、ささやかな発見を目にすると、植物に対してどんどん愛着が湧きますし、リスペクトすら覚えます。植物は物言わぬ存在です。だからこそ手をかける大切さを強く実感できますし、だんだんと思いやりの気持ちも芽生えていきます。こう考えるとペットのような、生活をともにするパートナー的な存在に近いかもしれません。

試行錯誤して世話していくことで日々の生活にも張り合いが生まれます。植物と過ごすことで、空間が彩られるだけでなく、より豊かな毎日を過ごせるようになるはずです。

初心者向けの小型の観葉植物・3選

初心者の方が一番心配されるのが、せっかく育て始めた観葉植物を枯らしてしまうこと。観葉植物が枯れてしまう原因に挙げられるのが、まずは寒さです。熱帯地域生まれの観葉植物にとって、低温はかなり堪えるものなんです。

サイドテーブルなどに置けるような小型の観葉植物で育てやすいのが、ガジュマル、ホヤ・カルノーサ、シェフレラ。いずれも耐寒性に優れているのが特徴です。
ガジュマルは観葉植物の中でもメジャーなので、目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。メジャーということは、育てる人をあまり選ばないとも言えます。初心者の方にまずおすすめする品種の一つです。
ホヤ・カルノーサは、うっかり水やりを忘れても枯れる心配がない品種で、初心者の方も安心して育てられるかと思います。また、花が咲くので、緑と花を楽しみたいという方にも向いています。
シェフレラは幹や枝が細く、一見繊細そうに見えますが、この3種類の中で特に寒さに強い観葉植物です。

存在感のある中型〜大型の観葉植物はサイズ選びも重要

膝上くらいの高さを超えるものは、基本的には床置きで育てます。このサイズは、自宅で過ごす時間が増えたコロナ禍に購入する人が特に増えましたね。

初心者の方におすすめなのは、アグラオネマ、ドラセナ・コンシンネ、クルシア。
アグラオネマは、葉の模様が特徴的で、映画「レオン」に登場した植物としても有名です。
ドラセナ・コンシンネはシュッとした細長い葉が、クルシアは丸みを帯びた葉っぱが特徴です。

背丈を超えるような大型のものは存在感があり、住居はもちろんオフィスに置かれることが多いですね。大型の観葉植物は世話が大変そうと思われるかもしれませんが、ツピダンサスやフィカスアルテシマといった、初心者でも育てやすい品種もあります。

販売店は天井が高く開放的なので、店頭だとそんなに大きく見えなかったのに、自宅に持ち帰ったら思ったよりも大きかったということもあります。大型の観葉植物を購入する場合、例えば店頭にある什器やインテリアから自宅の棚やテーブルの高さに近いものを見つけて、植物の高さ・大きさを比較すると、自宅に置いたときのイメージのずれを小さくできますよ。

観葉植物を選ぶときは
葉と根の状態をチェック!

できるだけ状態の良い観葉植物を選ぶことも、失敗せず元気に育てるための大事なポイントです。

店頭で選ぶ際、まずは葉を確認! 黄色や茶色がかった葉があるなど、元気のない印象を受けるものは避けましょう。葉に艶があるものを選べば、枯れる心配も少ないかと思います。

根の状態の確認もとても重要です。ポットに入っているものであれば、手にした時に固い感触があり、少し力を入れたくらいでは崩れる心配がなさそうなら、根がしっかり回っていると考えて良いかと思います。
床置きで育てるような大きさであれば、幹の下部分を持ってほんの軽く揺らしてみてください。グラグラとするようなことがなければ安心です。持ち上げられる重さ・大きさなら、鉢を少し浮かすように持ち上げて、底穴を指で触ってみましょう。根が飛び出ていることが確認できたら、それは根が回っている証拠なので、なお良いといえます。

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