中部和菓子図鑑

高島屋の和菓子バイヤーが中部地域注目の和菓子をご紹介

「お茶羊羹」
三浦製菓・
静岡県島田市

May 31. 2023(Wed.)

茶壺のパッケージが
レトロかわいい「お茶羊羹」

静岡県島田市川根町は、お茶の産地として古くからよく知られています。
初夏の山間の朝と夜、茶畑に露がしたたった時が茶葉の芽吹くタイミング。川根町が緑色に美しく染まる時期です。
三浦製菓の看板商品「お茶羊羹」は、川根町で摘まれた茶葉を粉末にして練り込んだ羊羹です。川根の各地では、昭和初期に茶葉を粉末にする技術を活かした羊羹製造が始まりました。
三浦製菓では、1950年頃からサイコロ型のお茶羊羹を販売していましたが、傷みやすく日持ちしないことなどが悩みだったと言います。
1980年に、現在の3代目社長と先代で、筒状の容器に羊羹を流し込む方法にチャレンジします。容器に羊羹を直接入れてすぐに蓋をするため、人の手が直接触れることがなく、衛生的で日持ちする商品として完成しました。さらに、2口から3口で食べきれるサイズに改良したことで、購入した方の羊羹を切る手間を省き、個包装で分けやすい手土産として人気が高まります。パッケージの外から指で押し出す仕様にしたため、手が汚れないという点も好評でした。
現代でも、茶壺をイメージした包装が、“レトロ感がある”、“カワイイ”とSNS上などで話題に。お茶の街・川根町で生まれたお茶を使った和菓子として、幅広い年代層から贈り物に選ばれています。

羊羹のベースとなる「白あん」を炊く。
茶葉と白あんを混ぜて“素”を作る。
お茶の良い香りがあたりに充満する。
茶葉と白あんを混ぜた“素”を、白あんに入れていく。
お茶羊羹のベースが完成。
充填機でパッケージに詰めていく。

店舗情報

三浦製菓
1926年に三浦製菓店として開業し、昭和には第二次世界大戦などでやむなく菓子づくりを中断することもあったが、現在に至るまで川根町を拠点にして製菓業を営む老舗。川根町の特産物である「お茶」を材料にした和菓子づくりで知られており、地域とともに歩み続ける姿勢は、川根町を代表する企業として地元からも愛されている。

MAP

〒428-0104静岡県島田市川根町家山717-5
電話番号:0547-53-2073
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