高島屋の和菓子バイヤーが中部地域注目の和菓子をご紹介
川根茶を活かしたお菓子で
地元に根付く老舗
三浦製菓・
静岡県島田市
June 07. 2023(Wed.)
お茶どころ静岡を代表する
川根町とともに
三浦製菓の和菓子に使われるお茶は、すべて川根茶。
川根茶は、大井川上流にある島田市川根町、川根本町で栽培されているお茶のことをいいます。川根本町は面積のおよそ90%が森林で、町内には大井川鐵道のSLが走っていることでも知られています。
近年では、静岡のお茶は深蒸し製法で作られることが多いのですが、川根茶は蒸しの浅い伝統的な製法。透明感が高く、ひときわ爽やかな香りが特徴です。その川根茶を粉末にして和菓子を作るわけですから、とても贅沢。三浦製菓は、川根茶を使った和菓子屋として、地域に根付いてきました。
お茶羊羹のバリエーションとして、栗入りや、同じ形のパッケージを使った焼きいも羊羹や柚子羊羹などをラインナップ。さらに店舗には洋菓子を販売しているコーナーもあり、お茶が生地に練りこまれたケーキ、パイ、季節のフルーツゼリーなどがずらり。自宅で味わい楽しむお菓子、贈り物に選びたいお菓子、何でも揃うお店として、地元から頼りにされているのでしょう。朝からひっきりなしにお客さまが訪れ、いろいろな商品を手にとっては眺め、楽しみながら選ぶ様子が見られました。
【店舗おすすめ】「急須もなか」
急須の形のもなかに、「小倉あん」、「お茶あん」、「川根の塩・白あん」の3種類が詰められている「急須もなか」。なんとかわいらしいことでしょう。2口から3口くらいで食べ切れるサイズ感と、個包装になっているので分けやすいところは、お茶羊羹と同じです。
サクサクした食感のもなかの皮の中には、びっしりとあんが詰められており、一ついただけば満足感でいっぱいに。そしてここにもお茶あんはしっかりラインナップされており、このほか、北海道の小豆を使った小倉あん、川根の塩・白あんがあります。川根の塩は、川根温泉の水を煮詰めてつくった塩が使われており、白あんの甘さの中にキリッと引き締まった塩味が効いています。
この急須もなかと緑茶の湯呑みをひとつのプレートにのせて出したら、きっと「カワイイ!」と声があがるでしょう。
店舗情報
- 三浦製菓
- 1926年に三浦製菓店として開業し、昭和には第二次世界大戦などでやむなく菓子づくりを中断することもあったが、現在に至るまで川根町を拠点にして製菓業を営む老舗。川根町の特産物である「お茶」を材料にした和菓子づくりで知られており、地域とともに歩み続ける姿勢は、川根町を代表する企業として地元からも愛されている。