高島屋の和菓子バイヤーが中部地域注目の和菓子をご紹介
宿場町でのれんを守る
老舗和菓子屋
又一庵 (またいちあん)
・静岡県磐田市
September 11. 2024(Wed.)
明治創業の矜持を保ち
新しいことにも挑戦
又一庵は、1871年(明治4年)に東海道五十三次の28番目の宿場である見附宿(みつけしゅく)の近くで創業しました。
後に店の主軸商品となる「きんつば」がつくられるようになったのは、2代目が店を切り盛りする時代。お土産でいただいたきんつばがきっかけでした。
当時、宿場町でありながら見附宿の近くにはあまり土産品がなかったことに着目し、きんつばをつくり始めました。
その後、時代が進む中で、現在の味に近いレシピが確立されます。
やがて、東京の大手洋菓子店に修行に出ていた4代目が、洋風商品を開発したり、店舗数を増やしたりするなど、順調に事業を拡大していきました。
現在は、4代目と5代目が店を切り盛りしています。年齢層やジャンルなどの垣根を飛び越えた商品づくりに挑戦しており、さらに総本店にはカフェスペースを開店させるなど、お客さまが求める空間づくりをしています。
「今まで来店されたことがない層が来てくださるようになりました。若いカップルや年配のご夫婦、女性同士のお客さまなど、さまざまな層がカフェスペースでお茶とお菓子を楽しんでいらっしゃる様子は、和菓子屋のカフェならではの風景だなと思っています」と女将の西澤佑梨(ゆか)さんは話します。
【店舗おすすめ】
「クラウンメロンパン
まんじゅう」
4代目と5代目で共同開発した商品が、「クラウンメロンパンまんじゅう」。
静岡県の名産であるクラウンメロンのピューレをたっぷり使って、白あんと合わせ、さらにまわりをメロンパンのようなパンまんじゅうの生地でくるんでいます。
外見は、まさにメロンパンそのもの。でも食べてみると和菓子感が満載なのです。
パンのようで和菓子、和菓子のようでどこか洋菓子感もあり、不思議なお菓子として大人気。和菓子をつくる技術に、洋菓子の発想を取り入れた新感覚のお菓子です。
毎日のおやつに、もしくはちょっと小腹がすいた時にもぴったり。箱入りも販売しているので、手土産にしても喜ばれそうです。
店舗情報
- 又一庵(またいちあん) 総本店
- 磐田市内の3店舗と、浜松市、袋井市、掛川市の合計5つの直営店舗を静岡県内にもつ。総本店では、きんつばを焼く様子が間近で見られるほか、和菓子カフェを併設しており、あずきソフトのテイクアウトなども人気。百貨店や土産物店、駅の売店などでも又一庵の商品が購入できる。