
高島屋の和菓子バイヤーが中部地域注目の和菓子をご紹介
中津川の地で百十余年
栗菓子を追求する和菓子店
御栗菓子 松月堂・岐阜県中津川市
April 23. 2025(Wed.)
昔からのレシピが残る
生粋の栗菓子専門店
松月堂の創業は1907年。2025年で118年目を迎える老舗で、現在は吉村麻耶さんが4代目を継いでいます。
吉村さんの曽祖母の実家が長野県飯田市で和菓子店を営んでおり、曽祖父は番頭を務めていました。そこから暖簾分けされて、中津川市の場所で創業します。
「創業当時から栗菓子専門店として、生菓子をつくっていたと聞いています。『自然の味そのままに、栗本来の美味しさを活かしたお菓子づくりをするように』が創業当時から口伝されてきた和菓子づくりの信念です」と吉村さん。
今でも昔ながらのレシピが残されており、創業者から伝わる信念をしっかりと守っています。また、栗きんとんだけでなく、栗を使ったさまざまな商品を展開し、新しいことに果敢にチャレンジしているところも、地元を中心とした多くのお客さまの心を掴んでいるポイントでしょう。
栗きんとんぷりん、栗サブレ、栗きんつばをはじめ、栗あんを栗の形にまとめて松露糖に仕立てた「栗のしずく」は定番のヒット商品です。
*松露糖:小豆あん・こしあんに水飴などを加え、丸く固めてから「すり蜜」で白くコーティングした菓子。

歴史を感じさせるポイントがいくつも。

デフォルメされたもの。

販売期間は毎年9/1〜2/28。

と彫られた石碑が建っている。
【店舗おすすめ】「創作栗きんとん 栗苞(くりづつみ)」
栗きんとんを葛で包んだお菓子で、もっちりとした葛としっとりした栗きんとんのコントラストが印象的。夏にも栗きんとんを食べたいとの要望がお客さまから寄せられ、今から20年ほど前に開発した商品なのだそうです。
中の栗きんとんをなめらかにして、夏らしく葛と合わせたことによって独特の食感を楽しめる夏の涼菓となりました。
このお菓子は、季節ごとの展開もされています。
2月から4月には桜の葉で包んだ「桜 栗苞」が、4月後半から8月には瀬戸内レモンの果肉を葛に入れた「レモン 栗苞」が、9月から年末までは柚子入りの「ゆず 栗苞」が販売されます。
季節ごとの美味しい「創作栗きんとん 栗苞」をぜひ味わってみてください。

もっちりとした感覚が指にも伝わる。

やさしく葛が包みこんでいる。

「創作栗きんとん 桜 栗苞」。
店舗情報

- 御栗菓子 松月堂(しょうげつどう)
- 1907年の創業当時と同じ場所に店を構え、現在の建物は100年を超える趣のある佇まい。ほとんどの商品に栗が使われており、専門店として長く栗菓子を研究開発してきた“栗愛”に満ち満ちている。
Instagram
https://www.instagram.com/syogetsudo.nakatsugawa/