中部和菓子図鑑

高島屋の和菓子バイヤーが中部地域注目の和菓子をご紹介

「いちご餅」
金蝶園総本家・岐阜県大垣市

February 24. 2023(Fri.)

イチゴの酸味と食感、あんの甘みがきれいなハーモニーに

春先になると、イチゴは甘みを増して旬を迎えます。岐阜県大垣市の「金蝶園総本家」では、この季節になると酸味と甘みのバランスがとれたイチゴの仕入れにこだわり、白あんと相性の良いイチゴだけを使って「いちご餅」に仕立てます。

イチゴの酸味、サクッとした食感、そして白あんの甘みに雪平餅(せっぺいもち)のやわらかさ。これらが口の中でハーモニーとなるのは、和菓子好きにはたまらない瞬間でしょう。冬から春にかけて「金蝶園総本家」の大人気商品として、連日「いちご餅」を目当てに来店されるお客さまが多くいらっしゃるのだそうです。

ぜひ注目していただきたいのが、イチゴと白あん、雪平餅の絶妙なバランスです。白あんでイチゴを包んでから、雪平餅でさらに包みあげますが、この時、イチゴの先の方は白あんと餅生地を薄く、ヘタの方になるほど分厚くなるように包んでいきます。こうすることで、イチゴの果実感と白あん・餅生地のバランスが良くなるからです。ただし、熟練の職人さんでなければ仕上げられない技術なのだとか。「いちご餅」を縦にカットして、職人さんの手技をじっくり眺めてから召し上がってみてください。きっと美味しさが倍増すると思います。

真っ白な雪平餅(せっぺいもち・メレンゲが入った餅生地のこと)を作るところから始まる。
厳選したイチゴのヘタを丁寧に取り除く。
白あんでイチゴを包みこむ。先の方が薄くなるようにグラデーションにする。
雪平餅の生地で、白あんイチゴを包みこんでゆく。
ふんわりと仕上げたら完成。

店舗情報

金蝶園総本家
JR大垣駅前に構える老舗。「金蝶園饅頭」のお店として知られ、大垣銘菓を求めに来るお客さまでいつもにぎわっている。堂々とした店舗の構えからも歴史を感じるが、店内にはいわれのある看板などが多数。和菓子だけでなく洋菓子にも力を入れており、季節ごとに幅広い商品が揃っている。

MAP

〒503-0901岐阜県大垣市高屋町1-17
電話番号:0584-75-3300
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