中部和菓子図鑑

高島屋の和菓子バイヤーが中部地域注目の和菓子をご紹介

恵那峡と大井ダムとともに
歴史を刻んできた和菓子店
御菓子司 菊水堂・岐阜県恵那市

January 17. 2024(Wed.)

和菓子はもちろん、
店主の趣味も味わい深い

菊水堂の歴史は、恵那市大井というエリアの歴史そのものと言えます。
恵那峡の大井ダムが建設された大正時代に、建設作業にかかわる人々のための食料品やお酒、煙草などを取り扱っていた「八百染商店」が、現在の菊水堂のルーツです。
大井ダムが完成した後、商売を替えて和菓子屋に。八百染商店を営んでいた松井家には子どもがいなかったことから、一番番頭だった安藤藤吉氏が創業者となりました。「傘岩まんじゅう」をつくったのも安藤藤吉氏です。
その後、安藤家も子どもに恵まれなかったため、松井家の親戚から養子をもらい、店を託すことに。そのまま現在まで松井家が継いできました。
今の店主は、安藤藤吉氏から数えて3代目です。

お店の中にあるミニカーや熱帯魚の水槽は、3代目の趣味です。そのようなコレクションを眺められるのも、この店を訪れる楽しみのひとつ。
「初代から現代まで趣味人であることが共通点」と、4代目にあたる松井祐樹さんが話してくれました。

3代目コレクションのミニカーが
店内にずらりと陳列されている。
熱帯魚の水槽がたくさん!
3代目は、卵がかえると
“子育て”に夢中になるのだとか。
菊水堂初代・安藤藤吉氏の肖像画が、
お座敷に飾られている。
大正時代の「八百染商店」の写真が、
店頭に飾られている。

【店舗おすすめ】「栗きんとんサブレ」

恵那といえば、栗きんとんの聖地。秋になれば町じゅうの和菓子屋で栗きんとんが販売され、栗の出来具合が話題になるといいます。
菊水堂でも秋は栗きんとんが大人気ですが、栗きんとん好きのお客さまのために、一年中食べてもらえるような新しい商品を開発できないか?という発想から、この商品が生まれました。
栗きんとんと同じ栗あんに、小麦粉やバター、牛乳などを加えて、焼き菓子に仕上げたものが「栗きんとんサブレ」です。通年販売しており、1か月程度日持ちがするので、手土産はもちろん、自宅用に常備するのもおすすめ。
さっくり感としっとり感を兼ねた食感で、ソフトクッキーのような味わい。日本茶だけでなく、コーヒーや紅茶にも合いそうです。

栗きんとんがそのまま
サブレになった感覚のお菓子。
中を割ってみると、
しっとり食感の栗きんとん味。

店舗情報

御菓子司 菊水堂
店の目の前の道は中山道。大井宿本陣跡から少し西に行ったところにあり、かつて人と物資の往来が行き交う交通上の要だった場所である。長年地域の人や旅人に愛されてきた歴史の積み重ねからか、お店の佇まいには街道沿いの和菓子屋らしい趣がある。看板犬のモナカちゃんが、その人懐っこさから時折お客さんを寄せている場面に出会うことができる。

MAP

〒509-7201岐阜県恵那市大井町206-20
電話番号:0573-25-2223
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