中部和菓子図鑑

高島屋の和菓子バイヤーが中部地域注目の和菓子をご紹介

懐かし美味しい
飛騨高山の駄菓子を今に伝える
音羽屋・岐阜県高山市

January 15. 2026(Thu.)

飴菓子から始まり
地域の駄菓子文化を継承

音羽屋は、飴菓子の専門店として1937年に創業しました。岐阜市の親戚の和菓子店で修行した初代が高山市に戻り、独立して店舗を構えたのだとか。
はじめは飴菓子だけを扱っていましたが、次第に飛騨高山に伝わる駄菓子に注目。水飴や砂糖を扱う技術を生かして駄菓子づくりにも挑戦するようになり、今に至ります。

なぜ飛騨高山で駄菓子がつくられるようになったのでしょうか。
江戸時代、飛騨高山は幕府直轄の天領地だったため、まちにお殿さまがいませんでした。当時、白い砂糖は上等品で、いわゆる武家で食される生菓子などには使うことがあっても、庶民が手に入れることは難しかったといわれています。雑穀の栽培が盛んだったこともあり、白い砂糖を使わずとも雑穀を使って焼き菓子にするなどして、庶民の手に届く菓子をつくっていたことが、後の駄菓子文化へとつながっていったようです。
「あんこではなく、大豆でつくるきな粉とか、雑穀を練ってつくるお菓子が食べられてきたようですね。さらに駄菓子は日持ちがします。庶民にとっては重宝したのだろうと思います」と音羽屋の女将・木村明子さん。
さらに「飛騨では町人文化が栄え、飛騨の匠と農民がいました。そこで工芸品などが発達したという経緯があります。駄菓子もその文化の一部として今も残っているのだと思います。観光客にはもちろんですが、地元の方にこそ、こうして残されてきた飛騨駄菓子の文化を伝えていきたいと思います」と話してくださいました。

店に入ると、まずはお茶をどうぞ、と勧められる、
囲炉裏コーナー。菓子の試食もできる。
素朴で懐かしい、穀物を使った駄菓子。
飴や焼き菓子だけではなく、
生菓子の販売コーナーも。

【店舗おすすめ】「飛騨のかたりべ」

麦こがし(香煎)に、砂糖ときな粉を練り混ぜ、糖蜜で固めたシンプルな菓子ですが、なんとも素朴で懐かしい味わい。手で割った瞬間、麦を焦がした香りがふわっと漂います。麦茶の香ばしい香りと表現すればわかりやすいでしょうか。誰もが郷愁を感じるはずです。

昭和40年代に旧国鉄の「ディスカバー・ジャパン」キャンペーンが行われた際、飛騨高山旅館ホテル協同組合から、旅館で茶菓子としてお客さまに出すためのお菓子を考案してほしいとの依頼があって誕生したのがこの商品。以降、飛騨高山の代表銘菓として愛され続けています。

「かたりべ」の名は、昔の家庭の団欒時に囲炉裏を囲み、祖父母が孫たちに地域に伝わる伝説や民話を語り伝えた風景を表現しています。「飛騨高山の駄菓子文化を次世代に伝えたい」という願いが込められているのです。

個包装してあるので配りやすく、
お土産にもぴったり。
割ると中から香煎のよい香りが漂う。

店舗情報

音羽屋
高山の中心地にのれんを掲げる駄菓子店。太い梁と柱、囲炉裏、柱時計など、飛騨高山の古き良き建築の雰囲気を伝える店内には、飛騨の駄菓子が所狭しと並べられており、選ぶのも楽しい。飲食コーナーには囲炉裏があり、こちらも風情たっぷり。

Instagram
https://www.instagram.com/otowaya/

MAP

〒506-0013岐阜県高山市有楽町22
電話番号:0577-33-4636
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