
エッセイスト桒原さやかさんが松本で感じる四季や自然とともに、家族でつくる日々をご紹介
土曜朝、我が家の習慣
一週間分の買い出しリストづくり
February 18. 2025(Tue.)
岐阜県出身のライター・エッセイストの桒原(くわばら)さやかさん。「イケア・ジャパン」やWEBメディア&ショップを経営する「北欧、暮らしの道具店」に勤務した後、ノルウェーに移住し約1年半を過ごしました。
現在は、長野県松本市で、スウェーデン出身のご主人と2人のお子さまとともに暮らす桒原さんに、松本での暮らしや家族と過ごす日常について綴っていただきます。


きっかけは北欧ファミリー
週1回の買い出しが恒例に
土曜日の朝、必ず行く場所があります。それは地元のスーパーマーケット。一週間分の献立を考えて買い出しをするのが、ここ数年続いている我が家の習慣です。
これがはじまったのは、ノルウェーに住んでいたとき。共働きが当たり前な北欧では、忙しい毎日を乗り切るため、一週間分の食材や日用品をまとめ買いするファミリーが多いのです。ノルウェーは北欧の中でも特に物価が高かったこともあり、時間はもちろん、家計の節約にもなるということで私たちもはじめたのでした。


夫婦ともに自宅で仕事をしていることもあり、昼は夫、夜は私の担当です。つまり7食分の献立をつくればいいのですが、これがなかなか難しい。いつものことながら、よし、今週も考えるか......と、ちょっとした気合いが必要なのです。


リマインダー機能をつかって、夫婦でシェア
それでは、北欧の人たちはどうしているかといいますと、よく家庭で実践されている2つの方法があります。
ひとつは、月曜日はパスタの日、火曜日は肉の日という感じに、曜日ごとにざっくりと決めておくこと。もうひとつは、金曜日の夜はピザ(家族が好きなメニュー)、土曜日の昼はミルク粥(子どもが好きなメニュー)を食べるというように、固定メニューを決めること。
北欧の人たちも工夫しながら、なんとか乗り切っているようです。


並べてから取り掛かります。
同じように試していた時期もありますが、そのときどきの気分に合わせて献立づくりも少しずつ変化してきました。
最近では「家族みんなが好きなメニュー」を考えるところからはじまります。ドリア、手巻き寿司、スパゲティ、コロッケなど、どれも家庭料理ばかり。食卓に並ぶと、家族から「わーい!」と歓声が上がる、我が家の人気メニューです。
このメニューを軸に、ドリアをつくるならたっぷり3日分ミートソースをつくり、一日はパスタに、もう一日はラザニアにしよう。こんなふうに献立を組み立てていきます。また、買い出しの前日は「スープの日」として残りものをいろいろ入れて、冷蔵庫掃除をするのが恒例です。
子育てをしながらの毎日は、気がついたら1日がヒュンと過ぎていきます。
今日も部屋は片付いていないし、アイロンがけしたいものもどんどん溜まっていくばかり。「子どもからズボンの穴を直して」と言われているのに、ずっと手付かずのまま、デスクの端にぽんと置いたままになっています。
あれも出来ていない、これも出来ていない......。中途半端なところばかりが目にとまります。


集まってくる子どもたち。
でも、7日間の献立だけは、ずっと続けられている。これだけはちゃんと出来ている。そう、ほんの少しだけ胸を張れる習慣なのです。
あわただしかった平日もようやく終わり、いつもよりゆっくりペースな休日の朝。
よし、と小さな気合いを入れて、今週もまたいつもの土曜日がはじまります。


スウェーデンでよく飾られるもの。