ただのリラクゼーション施設ではない
森の中のサウナ
株式会社LEO
（三重県菰野町／愛知県名古屋市）（1/4）

クリスさんが足を運んだのは、菰野町の山中にある「AOU no MORI」。木々に囲まれ、野鳥のさえずりが聞こえる自然豊かな場所に、小さなドーム型の小屋と煙突が伸びるテントが。実はここ、野外サウナが楽しめる施設なのです。
運営しているのは、株式会社LEO。名古屋市に本社を置き、企業などの新規事業創出や起業家教育のサポートをおこなっています。
今回は、代表の粟生万琴さんと「AOU no MORI」で待ち合わせ、お話を伺うことに。
「自分の出身地である三重県で、新しいイノベーションのヒントになるような場所をつくろうと考えました。観光客が多く訪れる伊勢市も候補にあげていたのですが、名古屋からも関西からも車でのアクセスがよく、県外から訪れやすい菰野町を選びました」（粟生さん）
「ただのサウナじゃなく、特別な場所としてつくったのですね」（クリスさん）

「『AOU no MORI』のコンセプトは“CO-CREATION”です」と粟生さん。
皆でこの場所を共創していくことを念頭に置き、名古屋工業大学や三重大学の学生たちと手作りで設営しました。
訪れた人は、仲間や同僚、ビジネスパートナーとサウナで胸襟を開きながらコミュニケーションができます。信頼関係を深め、サウナで身も心も、そして頭もスッキリした状態でミーティング。または、打ち合わせの前後のレクリエーションとしてサウナを満喫。
いつものオフィスとは違う、居心地良いワークスペースで意見交換をしたり、焚き火を囲んで語らったりすることで、新たなアイデアづくりへと繋げられるのです。
「働く時間にも学びがあるし、プライベートが仕事につながることもあります。仕事とプライベートを切り分けるのではなく、両方を、つまり人生をゆったりと時間にとらわれず考える。そんな体験ができるスペースとして活用してもらいたいと思っています」（粟生さん）

サウナは、パラシュートの縫製・製造からスタートした海外のアウトドアメーカー「EX-PRO」社のもので、4～5人はゆったりと入れる大きさ。水風呂や涼めるデッキも完備しています。

木々が茂る小道に現れる「AOU no MORI」。完全貸切で利用できる施設です。
施設内では、尖った屋根のドーム型をした小屋も目を引きます。わずが数時間で施工できてしまう「インスタントハウス」で、名古屋工業大学と株式会社LIFULLが共同開発したものです。Wi-Fi環境はもちろん、プロジェクターやモニターなども整えられており、ミーティングルームとして利用できるほか、包まれるようなドーム型の空間はくつろぎの場にも。また、サウナで使用するハーブは、名古屋大学出身で宇宙で農業を目指すスタートアップ企業・株式会社TOWINGの高機能バイオ炭で育てています。
「スタートアップ企業の取り組みや新しい技術を体感できる場所でもあります。ここをきっかけにそれら技術や商品が広まっていけば良いし、提供している側は実際に運用することで改善点やお客さまの反応がフィードバックされる社会実証の場として活用できます」（粟生さん）

「この素晴らしい環境での野外サウナなら、斬新な発想が浮かびそうです！」（クリスさん）


次回は、「AOU no MORI」ができるきっかけや、株式会社LEOの事業でどんな役割を果たしているのかをお聞きします。