中部和菓子図鑑

高島屋の和菓子バイヤーが中部地域注目の和菓子をご紹介

「氷彩花(ひょうさいか)」
長寿園・愛知県名古屋市

September 20. 2023(Wed.)

キラキラと輝く様が
まるで宝石のような和菓子

「氷彩花(ひょうさいか)」は一般的に琥珀糖と呼ばれている和菓子で、糸寒天に砂糖を溶かして半乾燥させたもの。表面はガリっと、中はトロッとしているのが特徴です。羊羹型に流し込んでから、乾いたところを見計らって、三角形に切り出し、さらに乾燥させます。まんべんなく乾くようにひっくり返す作業を繰り返し、およそ1週間かけてやっと完成すると言うのですから、手間と時間がかかる和菓子だということがよくわかります。
この琥珀糖に「氷彩花」と名付けたのは、ご主人の林圭一郎さん。氷のように透けていて彩りがよく花のように美しい、という意味でしょう。「氷彩花は昔から作っている和菓子で、お茶の先生からのご注文が多いのですが、ここ5~6年で急速に人気が出まして、今では生産が追いつかずにお待ちいただくこともあるほどです」とのこと。どうやらSNS上で琥珀糖のシャリシャリという特徴的な食感や、光に透けるきれいな色合いが話題となり、主に子どもたちの間で大人気となったそうです。子どもに頼まれた親がオンラインでオーダーをすることが増えているそうで、以来、長寿園にも問い合わせが殺到しています。長く愛されてきた伝統の和菓子が、子どもたちの興味の対象となった好例です。

糸寒天を水でひと晩しっかり戻しておく。
糸寒天と砂糖を煮たものを羊羹型に流し、
表面が乾燥したところでカットする。
三角形に切り出したものを、ペーパーを敷いたすのこの上に
並べていく。

店舗情報

長寿園
ご夫婦で切り盛りする和菓子屋。基本のあん炊きはもちろん、すべて手作りでひとつひとつを丁寧に、がモットー。日持ちするものよりも、季節感のある風味の高い和菓子を優先したいという思いから、毎朝、ご夫婦の目が行き届くだけの量を作っている。オンライン購入も可能。

MAP

〒466-0843愛知県名古屋市昭和区菊園町1-16
電話番号:052-841-1084
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