中部和菓子図鑑

高島屋の和菓子バイヤーが中部地域注目の和菓子をご紹介

夫婦で歴史を刻んできた
絶品ういろの銘店
御菓子司 菊屋・愛知県名古屋市

December 20. 2023(Wed.)

人と店に歴史あり
昭和初期創業の菊屋物語

菊屋の創業は1934年(昭和9年)。岐阜や名古屋の和菓子屋で修行を重ねた初代が、昭和区で和菓子屋をはじめたのだそうです。1952年(昭和27年)に現在の広小路通沿いに移転し、今に至ります。
酒素まんじゅうや生菓子などの和菓子が並ぶ店として、大いに繁盛したのだとか。創業当時の話をうかがっていると、奥さまが「面白い話があってさぁ」と口を挟みます。ご主人の祖父は豪気な人物だったとのことで、そのエピソードを教えてくれました。岐阜県関市の観光名所である名もなき池、通称「モネの池」のすぐ近くに実家があった祖父は、当時蒸気機関車が東京で走り始めたと聞いて、居ても立っても居られなくなり、機関車見たさに山を売ってお金をつくり、蒸気機関車に乗るためだけに、岐阜から“歩いて”東京まで旅をして帰ってきたのだそうです。当然親戚たちからは総スカンをくらったけれど、本人はあっけらかんとして大満足だったのだそう。
奥さまは「私、この話が大好きでね、うちの主人もその血をひいていると思うんだわ」とまたここで大笑い。そんな“面白い”一族の小山さんは、2代目として和菓子屋を受け継ぎ、順調に人気商品を増やしていきます。やがて、ういろが美味しいと評判になり、ういろを買い求めて多くの人が来店するように。いつしかういろがメインの商品となっていったことで、ほかのお菓子をつくる時間的余裕がなくなり、現在のういろ専門店のようなスタイルへと変化していったのでした。

奥さまのおしゃべりを聞きながらも、
手は素早く動く職人技。
ご夫婦のコンビネーションが実に軽快で、
あっという間に商品が出来上がっていく。
「時々サイズが違っちゃうこともあるんだよね」
と言いながらニッコリ笑うご主人

【店舗おすすめ】
「季節のフルーツジャム」

看板商品のういろ以外にも、手づくり最中や練り羊羹などの和菓子が並んでいます。中でも人気なのは、季節のフルーツでつくるジャムなのだそうです。
新鮮なフルーツを全国の産地から取り寄せるので、その日によって、店頭に並んでいるジャムの種類は様々。共通しているのは、フルーツに砂糖を加えてコトコトと煮るつくり方と、フルーツの味わいをシンプルに楽しめるジャムに仕上がっているということ。
パンにつけたり紅茶に入れたり、炭酸水で割ってサワーにするなど、いろいろな味わい方ができるのでおすすめだそうです。
和菓子屋さんがつくるからこそ、ちょうど良い甘さに仕上がっているので、その絶妙な蜜加減を味わってみたいものです。

左は飛騨舟山のりんごを使ったりんごジャム、
右は桃の蜜煮。
ほかにも、手づくり最中や練羊羹など
日持ちがする手土産も人気。

店舗情報

御菓子司 菊屋
手づくりのういろを求め、蒸し上がりの時間をめがけて近所の人が早々に店頭に並ぶ姿が見られる。手土産用にとビジネスマンがまとめ買いをしていくこともよくあるのだとか。商品説明に時々ジョークを交えてバリバリの名古屋弁で話す店主夫妻の人柄も、ういろと並んで名物のひとつ。

MAP

〒460-0006愛知県名古屋市中区葵2-14-21
電話番号:052-935-3873
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