
年間300件以上のお店をめぐる編集者・かにぃさんが中部地域のカフェをご紹介
古き良き小山田の風景を未来へつなぐ
どこか懐かしいカフェでくつろぐ時間
DOA(三重県四日市市)
March 25. 2025(Tue.)
和風だしの香るカレーと
四季折々の果物を使ったパブロワに舌鼓
三重県四日市市の賑やかな市街地を抜けて西へ向かうと、やがて風景が変わり、田畑に囲まれた集落が現れる。家々の間を縫うように続く細い路地の先、小山田地区の高台に佇む「おやまだ文化の森」にあるカフェが「DOA(ドア)」だ。
大正時代に建てられた建物は、当初、小山田小学校の分校として使用されていた。その後、町役場や小山田美術館としても利用され、長い年月を経て現在の姿となった。学び舎を彷彿とさせるどこか懐かしい店内は、窓からさんさんと日差しが差し込み、窓の外には大きな桜の木、その向こうには山並みが広がる。
「たぶんこの先も変わらないであろうのどかな風景に魅せられて、店を開くことに決めました」と話す店主。2022年のオープン当初は喫茶室だけだったが、もっとメニューの幅を広げようとランチも提供するカフェへとリニューアル。2024年にDOAとして再出発した。
店主は「DOAはDOORの意味。小山田の文化や町の入り口になりたいと思いを込めてつけました。それと、英語よりDOAのほうが、どなたにもわかりやすいでしょう?」と穏やかな笑顔で話す。
取材したこの日のランチメニューは、2種類のカレーと季節限定のカレードリアの3種類。カレーは、喫茶室時代に開いたイベントで腕を振るってくれたという、スパイスカレーに定評がありカレー好きの間でよく知られる「DAITO CURRY 」の監修だ。和風だしとスパイスを効かせたカレーはまろやかで、ほのかに香るスパイスの奥に和の風味が感じられる個性豊かな一皿。
モッツアレラチーズをたっぷりとかけたきのことトマトのカレードリアは、ごはんにしっかりと絡んだカレーとマイルドなチーズ、甘酸っぱいトマトが絶妙に調和した優しい味わいだ。
ランチをいただいた後は、スイーツとコーヒーもオーダー。オーストラリアが発祥といわれるメレンゲのお菓子、パブロワは人気スイーツのひとつ。焼いたメレンゲはしっかりと甘く、サクサクとした軽い食感。濃厚な生クリームをのせて口に入れればなんとも幸せな気分に。深煎りながらも比較的軽やかで香り豊かなDOAブレンドは、パブロワの最高のおともだ。
スイーツは他にも季節のフルーツをたっぷりとあしらったミルクパルフェや、昔ながらの食感が評判を呼ぶ自家製のかぼちゃプリンなどがあり、どれも一つひとつ丁寧につくられたものばかり。
「私も子育て世代だから、子ども連れでもゆっくりと食事や喫茶が楽しめる店を目指しました」と話す店主の言葉どおり、店内にはキッズスペースや授乳室もあり、子どもを遊ばせながらゆっくりと過ごせるのも嬉しい。
春風にそよぐ薄紅色の桜、爽やかな風に吹かれる緑の木々、黄金色に輝く秋の田んぼ、どこか郷愁をそそる冬枯れの山々……。窓の外に広がる日本の四季折々の原風景を楽しみながら、おいしいランチとスイーツに舌鼓。そんな幸福なひとときが過ごせるカフェだ。

移り変わってきた歴史ある建物でカフェを営業。

店内には撮影した写真が飾られている。


たっぷりのったパブロワ。
季節のスイーツやソースと絡めていただく。

インドのバスマティライスと日本米をブレンド
しており、カレー風味のドリアとの相性は抜群。
店舗情報

- DOA
- 四日市市の「おやまだ文化の森」の一階にあるカフェ。キッズスペースや授乳室も完備されており、ファミリーにも優しい。カレーなどのランチのほか、デザートのラインナップも豊富。