年間300件以上のお店をめぐる編集者・かにぃさんが中部地域のカフェをご紹介
花と雑貨に囲まれたカフェ空間で
本格タイ料理に舌鼓
unitedbamboo
(愛知県海部郡飛島村)
December 27. 2024(Fri.)
時代の流れと共に
移り変わる「花屋」の形
名古屋の海の玄関口として知られる飛島村。沿岸部には工場が建ち並ぶ一方で、村内には自然豊かな田園風景が広がり、古き良き昭和の時代を彷彿とさせる町並みが続く。そんな風情あふれる町の一角に、今回のお目当ての花と雑貨の古民家カフェ「unitedbamboo(ユナイテッドバンブー)」がある。
趣のある建物のアプローチを彩るのは、多種多様な観葉植物。店内には一面にドライフラワーや観葉植物が飾られ、まるで小さな植物園。これらに目を奪われながら奥へ進むとカフェスペースがある。往時のままの太い柱や梁、アンティーク家具が織りなす空間は落ち着きがあり、居心地がいい。
もともと花屋で働いていたという店主は、2001年に実家の古民家をリノベーションし、ドライフラワーや観葉植物をメインとしたフラワーショップを開店した。「花や緑とともにコーヒーやランチも楽しんでほしい」と3年後にカフェもオープン。今では地元の人々はもちろん、休日には遠方から訪れるお客さまもいるほど評判を呼ぶ店となった。
人気のランチは「年に数回、タイへ足を運ぶ」と話す店主が現地で学んだレシピでつくる本格派のタイ料理。看板メニューのひとつ、ガパオライスは豚ひき肉にナスやパプリカなどの野菜をたっぷりと加え、青唐辛子やオイスターソースで味付けした旨辛味で、ホーリーバジルの代わりに使用するスイートバジルの香りがアクセントになっている。
また「花屋が営むカフェなので、ランチは彩りをよくすることを大切にしています」という店主の言葉どおり、ガパオライスはもちろんのことセットのサラダもまるで花束のように華やかな盛り付けだ。野菜は地元の生産農家のものを中心に使うなど、旬の素材にもこだわっている。もうひとつのスペシャリテ、タイカレーは辛さの中に甘さを感じる奥深い味わいで、こちらもぜひ味わってみたいひと皿だ。
デザートには木の実のキャラメルチーズケーキをセレクト。自家製チーズケーキのマイルドな酸味とほろ苦く甘いキャラメルソース、香ばしいナッツの組み合わせは絶妙で、香り豊かなタイコーヒーとの相性も抜群だ。
店内では作家作品の器やタイの雑貨も販売し、不定期で企画展やイベントがおこなわれるのもまた楽しい。壁を飾るタイの風景写真を眺めつつランチを味わうのもよし、花や雑貨を楽しみながらのんびりとティータイムを過ごすのもよし。
どんな過ごし方でも優しく受け入れてくれる、そんな懐の深いカフェだ。
店舗情報
- unitedbamboo
- 都会の喧騒を忘れさせてくれるアジアンテイストな古民家カフェ。花屋に併設されている。