中部和菓子図鑑

高島屋の和菓子バイヤーが中部地域注目の和菓子をご紹介

「みたらしだんご」
夢菓子工房ことよ
・三重県四日市市

November 08. 2023(Wed.)

四日市のソウルフード
添加物なしのみたらしだんご

1948年の創業以来、ずっと変わらぬ製法で作り続けているのが、看板商品の「みたらしだんご」です。注文を受けてから焼くスタイル。焼き上がるまでを見ていると、あっという間に時間が過ぎてしまいます。注文はひっきりなしに入り、なんと1日で2,000本という驚異の本数なのだとか。焼き台の火は朝から閉店まで消えることがありません。
だんご生地は、米粉の粗いものと細かいものをブレンドし、蒸しあげて成形します。みたらしだんご専用の醤油は、四日市のヤマコ醤油さんに特別注文したもの。砂糖や水飴などと合わせてつくったタレに焼いただんごを漬けます。

特徴的なのは、独特のモチモチ感と歯応え。素材の味わいがそのまま感じられる、これこそが“みたらしだんご”という素朴な味わいです。一般的な甘辛いみたらしだんごと比較すると、醤油の塩味が強く、直火で焼いた香ばしさとともに、印象に残ります。
丸く整形されただんごは、すべての面をしっかりと焼き付けるため、丁寧に4回ほどひっくり返して焼いていきます。この時、焼き手の耳にはわずかなジュッと焼けた音が聞こえるのだそう。その音がひっくり返すタイミング。まさに職人技です。

だんごの生地は、添加物はもちろん砂糖も一切加えておらず、賞味期限は1日で冷凍は厳禁。もし翌日にいただくなら、レンジで温めるとやわらかくなります。このみたらしだんごを求めて、1本だけ買って帰るという人もいるのだとか。地域に愛される四日市のソウルフードといえるでしょう。

米粉とお湯を混ぜて練ったものを蒸し、
餅つき機でつき、成形したものを串刺しにする。
焼き台に乗せて、すべての面に焼き目が
つくように細かくひっくり返す。
焼き上がっただんごは、タレに漬けて完成。

店舗情報

夢菓子工房 ことよ
店名の「ことよ」は、よろずと同じ意味で、創業当時は雑貨や鮮魚も扱っていたそう。2代目の時代から和菓子専門へと変わり、今では遠方からも多くの人が訪れる地域の有名店に。店内は、名物のみたらしだんごをはじめ、洋菓子風のものや手土産にぴったりのものまで、アイデアたっぷりのお菓子がいっぱい並んでいる。

MAP

〒510-0943三重県四日市市西日野町4987-1
電話番号:059-322-1226
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