
年間300件以上のお店をめぐる編集者・かにぃさんが中部地域のカフェをご紹介
アンティーク調の静かなカフェで
3世代受け継ぐラーメンやランチを味わう
坂のうえ(三重県志摩市)
August 28. 2025(Thu.)
鶏ガラの旨味を感じる一杯のラーメンに
華やかな盛り付けで個性をプラス
複雑な入り江と緑豊かな山々が織りなす風光明媚な三重県志摩市。情趣あふれる漁師町に車を走らせ、細い坂道を上った先に、まるで絵本から飛び出してきたような可愛らしいカフェレストランがある。ミントグリーンの扉を開けると広がる落ち着いた空間。アンティークのテーブルウェアが飾られた年代ものの飾り棚、趣のあるテーブル。ランプや小さな雑貨の一つひとつに、こだわりが感じられる。店主は「母も私もアンティークが好きで。集めていたら、いつの間にかこうなりました」と笑顔で話す。
開店したのは2015年。
「母が還暦を迎えたのを機に、一緒にカフェをオープンしました。最近になって世代交代で、私が店主を引き継ぎましたが、今も2人で厨房に立っています」
コンセプトは「老若男女が訪れやすい店で、心が明るくなるような料理を提供する」とのこと。
「お腹いっぱいになって満足してもらいたいと思いながらつくっています。野菜はなるべく地元のものを中心に、肉も国産のものや地元で育てられたものなどを使用しています」
丼や洋食など、種類豊富なランチメニューの中でも注目は、「坂のうえラーメン」だ。
「以前、祖母が食堂を営んでいた頃の人気メニューで、母がこの店を開く時にレシピを受け継ぎました」と話す店主。「カフェでラーメン?」と一瞬驚くが、これが専門店のように本格的だ。
雑味が出ないように絶妙なバランスで煮込んだ鶏ガラの出汁と特製醤油だれを合わせたスープは、一口すすった瞬間、濃厚な旨味がふわっと広がり、見た目以上にコクのある味わい。地元の製麺所から仕入れる細めのストレート麺はしっかりとしたコシがあり、歯切れのよい食感でスープも十分に絡むため、箸が進む。肉の美味しさがきちんと感じられるチャーシューは、生産量全国一位を誇る伊勢志摩産のあおさを食べて育ったという、こちらも志摩産のあおさ豚だ。Bランチでは、このあおさ豚のチャーシューが3枚乗った「坂のうえ美豚ラーメン」をメインに選ぶことができる。
さらに「坂のうえらしさを出したい」と花形の麩と大きなだし巻き玉子を添えて見た目も華やか、かつ個性的な一杯に仕上げている。ラーメンの器のまわりには、季節の野菜やフルーツがエディブルフラワーとともに美しく盛り付けられている。さらにランチセットにすると、これに加えてサラダやプチデザート、ごはんなども付き、満足感のあるボリュームとなっている。
「一度食べて、またリピートされるお客さまも多いです」という店主の言葉にも納得だ。
もちろん、カフェらしいスイーツメニューもすべて丁寧につくられたものばかり。おすすめは、常時4〜5種類が揃う焼き菓子 で、この日はガトーショコラをチョイス。2種類のチョコをブレンドした一品は、濃厚な甘さの中にほろ苦さを感じる大人の味。ランチにも、ちょっとしたティータイムにも、遠くからでもつい足を運びたくなるカフェだ。

まるで童話の世界に入り込んだかのよう。


木漏れ日が差し込みあたたかな雰囲気に。

自然を肌で感じながらのランチも格別。


Bランチ。ハーブティーにサラダ、ライス、
味噌汁、プチデザートが付く。


ケーキとこだわりのコーヒーとともに。
店舗情報


- 坂のうえ
- 坂の上に佇む可愛らしい雰囲気のカフェレストラン。
3代 で受け継ぐ名物のラーメンの他、チーズ入りチキンカツやとんかつ、てこね寿司など幅広いランチメニューがある。