
年間300件以上のお店をめぐる編集者・かにぃさんが中部地域のカフェをご紹介
絶景とオーガニック料理を楽しめる
クラシックな別荘の面影を残す天空のカフェ
カフェー清涯荘(岐阜県瑞浪市)
September 24. 2025(Wed.)
標高約500メートル、天空の場所で
ゆったり過ごす贅沢な時間
瑞浪の市街地から離れ、緑に覆われた山道をしばらく登ると、「清涯荘(せいがいそう)」と刻まれたレトロな石造りの門が見えてくる。聞けば、かつてこのあたり一帯は別荘地だったとか。
「『清涯荘』はもともと財閥の別荘で、長い間廃墟となっていました」と店主。この建物を使って何かしようと思い立ち、持ち主から譲り受けてまずは木々の伐採から取り掛かったという。
「実家が以前食堂を営んでいたのですが、当時常連だった地元の方々が『おいしいごはんをいただいてきたから、手伝おう』といってくださり、多くの方の力を借りて切り拓きました。すると標高約500メートルの山の上という立地ならではの絶景が広がり、ここでカフェを開こうと考えました」
内装の約半分は、建築デザイナーでもある店主がDIYで仕上げたという。
「泊まり込みで作業していたら、素晴らしい雲海を見ることができて。ここからの景色をいろいろな方に楽しんでもらいたいなと」
そんな思いを抱え、2017年にオープンした。
店内に足を踏み入れた瞬間、目の前に広がるのは遮るものがない大パノラマ。青々と広がる空の下、美しい稜線を描く山々を眺めながら過ごすひとときは格別だ。この佳景をたっぷりと楽しめるよう、テラスにはカウンター席が設けられている。また屋上には「TEN KUH Lounge(天空ラウンジ)」と名付けられた予約制のテラス空間がある。晴れた日は、ここで恵那山や名古屋駅の高層ビル群、長野県の中央アルプス、三重県の御在所岳までを一望しながらランチ(TEN KUH Loungeのみのランチコース)を食べることができる。
さらにこの景色を心ゆくまで楽しみたいなら、併設する「ヴィラ」に宿泊してはいかがだろう。重厚感あふれる往時の建物の雰囲気を残しつつ、モダンに改築した空間から季節に色づく木々を眺め、日頃の喧騒を離れて心身を休めるのにぴったりの場所だ。
カフェで楽しめるメニューは、オーガニック食材を使用した体に優しい料理。この日は旬の野菜をたっぷりと使った豆乳のポタージュやひじきとキヌアのサラダをはじめ、コリアンダーシードでアクセントをつけたキャロットラペ、ヴィーガンオムレツ、里芋のコロッケなどが堪能できた。どれも素材のおいしさを際立たせたものばかり。ご飯は時間をかけて発酵させた無農薬の酵素玄米で、またその玄米を使った自家製の甘酒も「テイクアウトしたい」という人がいるほどの人気ぶり。ランチは、プレートに美しく盛り付けられ、見た目も華やか。絶景とともに忘れられない記憶となるだろう。




270度の大パノラマの絶景は圧巻。


リゾートのような空間で食事ができる。


※ランチの内容は一部変更となる場合あり


早朝に雲海が、夜には満点の星空が楽しめる。
店舗情報


- カフェー 清涯荘
- 半世紀の間廃墟となっていた別荘「清涯荘」を改装。標高約500メートルの山頂にそびえ立つ天空の絶景カフェ。オーガニックにこだわった料理を提供する。
Instagram
https://www.instagram.com/cafe_seigaiso/