
年間300件以上のお店をめぐる編集者・かにぃさんが中部地域のカフェをご紹介
清流と緑に癒やされる里山のカフェで
自慢のランチやスイーツを堪能
静岡市清水区
toki
			October 30. 2025(Thu.)
季節のイベントや
他店とのコラボレーションも開催
			静岡市清水区は港町のイメージがあるが、北側には山々が連なり、名峰・富士も姿を見せる自然豊かなまちだ。市内を流れる興津川(おきつがわ)の上流にはキャンプ場や温泉などを備えた市民の憩いの場“静岡市清水森林公園「やすらぎの森」“が広がる。今回訪れた「toki」は、そんな里山の中にあるカフェ。このエリアで地域発展やものづくりに尽力する企業が、「里山の豊かな自然やすばらしさを、多くの人に知ってもらいたい」と2024年にオープンした。
店内に入るとまず目に飛び込んでくるのは、壁一面の窓と、その向こうに広がる風景。陽光に輝く芝生のテラスの先には清流が、その対岸には深緑の森が見える。「店の中からも、この景色を楽しんでほしいと思って大きな窓にしました」と笑顔で話す店主。春は薄紅色の梅と川沿いに咲き誇る桜が共演し、夏から初秋にかけては森の緑が鮮やか。冬はデッキや芝生にうっすらと霜が降り、凛とした空気の中で幻想的な風景が楽しめる。「寒い冬でもテラスでゆっくりと過ごしていただけるよう、焚き火を2台置いて、時には焼きマシュマロや餅つきなどのイベントも行います」。そんな話を聞くと、静岡市内だけではなく浜松や沼津、遠くは名古屋方面からも定期的に訪れる人がいるのも納得だ。
ランチはピザやカレーが楽しめるとのことで、今回は2種類をオーダー。カリッとした生地のマルゲリータピザは、マイルドで濃厚なトマトソースや香り豊かなバジルソースにチーズのコクが加わり、食べごたえ満点。またガラムマサラやクミンなどのスパイスを独自に調合し、豚ひき肉と野菜をたっぷりと使用したドライカレーも人気メニュー。スパイシーな芳香と辛味が口の中にふわっと広がり、後から野菜の甘味や肉の旨味がじんわりと感じられ、香ばしい雑穀米との相性も抜群だ。
ゆっくりとランチを楽しんだ後は、食後のデザートにシュガードーナツを注文。想像以上にふんわり、しっとりとした食感で甘さもしつこくなく、お腹がいっぱいでもぺろりと食べられる。また酸味と甘味のバランスが絶妙なベイクドチーズケーキと、濃厚なレアチーズケーキを2層仕立てにしたオリジナルのチーズケーキもリピーターが多い。さらに楽しいことに、こちらでは不定期で他店とのコラボレーションメニューが登場する。ティラミスやデコレーションしたドーナツなど、その時限定でオリジナルのスイーツも提供する。
景色を愛でながらのんびり過ごすのもいいし、イベントを目当てに訪れても、家族や愛犬と一緒にテラスでアウトドア気分を楽しんでもいい。店名の通り「ここにしかない大切な時」を過ごせる、そんな居心地の良いカフェだ。
 
					気候の良い日のテラス席は多くの客で賑わう。


思わず長居したくなる落ち着いた雰囲気だ。




香り豊かなバジルソースが良いアクセントに。


スイーツはどれも本格派。
店舗情報


- toki
- 2024年にオープンした、静岡市清水森林公園「やすらぎの森」の中にある里山カフェ。目の前には興津川が流れ、川のせせらぎに癒されながらの食事が楽しめる。西里地域発展への取り組みや、ものづくりをおこなう企業が運営し、地元に根付いた展開をしている。





