気ままにカフェめぐり

年間300件以上のお店をめぐる編集者・かにぃさんが中部地域のカフェをご紹介

「毎日食べても飽きないパンを」
芳香漂う自家製パンが
評判のカフェ
パンと喫茶 ぱんプラス
(浜松市)

May 31. 2024(Fri.)

「誠実にパンをつくる」を
テーマに
使う素材や酵母を厳選

のどかな田園風景に囲まれてひっそりと佇む、小さな店。
「1人より2人で、好きなジャムやトッピングを添えて、お気に入りの音楽や本と一緒に。何かをプラスするほうが、より一層パンがおいしくなる」
そう話す店主のパンへの思いが詰まった「ぱんプラス」は、近所からはもちろん、休日は遠方からも人が訪れる評判のカフェだ。

「子どもが生まれてから、これまで以上に食の安全を考えるようになって。口に入れるものは、なるべく自分でつくったほうがいいと思いました」と自身でパンづくりを始めたのは約20年前。その美味しさが評判を呼び、13年前にはパン教室を立ち上げた。さらに「おいしいパンをもっと多くの人に楽しんでもらいたい」と2023年2月に店をオープン。カフェ開業後には精力的にイベントにも出店、多くの人から親しまれる。

店内には、温かみのある木目のテーブルやカウンター、小さなソファ席もあり、1人でも誰かと一緒でも居心地がいい空間。大きな窓からは緑豊かな山々や澄んだ青空を望み、明るい日差しがたっぷりと降り注ぐ。「フランスにあるカフェをイメージしました。本を読みながらゆっくりと過ごすお客さんもいらっしゃいますよ」と穏やかに微笑みながら話す店主の言葉どおり、つい時間を忘れて長居したくなる。

パンづくりのテーマは“体に優しいパンを、誠実につくること”。「自分の家族に安心して食べさせられるかを基準に考え、素材を選んでつくっています」。
小麦は国産のものを、プレートに添える野菜は地元産を中心に低農薬のものを使用する。中でもこだわりは、米と麹菌でつくられた「あこ酵母」だ。この酵母を使って焼いたパンは、米のようにほのかに甘く香ばしい香りが漂い、粉のうま味がしっかりと伝わる。「毎日食べても飽きない米のような存在のパンをつくりたくて。麹も体にいいから、お客さまに日々おいしく取り入れてほしいと思いました」と店主は話す。

まずは、看板メニューの「パンとお飲み物」を注文。日替わりの3種のパンにバターと自家製ジャム、飲み物がついたシンプルなセットで、ブランチにも軽めのランチにもちょうどいい。
この日は、生地を牛乳で練り上げたコクのある食パン、香ばしいカンパーニュ、雑穀入りのコッペパンに自家製のきなこバタークリームをたっぷり挟んだきなこバターサンドというラインアップだった。

せっかくなので「ぱんプラスプレート」もオーダー。こちらはパンのほかに、色とりどりのデリやグリルしたソーセージがついてボリュームがある。かぼちゃのサラダはほっこりと甘く、自家製のスパイスで和えたにんじんのラペはその香りに食欲がそそられる。
「ソーセージは隣町の肉屋さんのもの。私がおいしいと思ったものを使っています」と笑顔の店主。そんなブレないこだわりも、リピーターを惹きつける理由だ。

自宅倉庫の一部分をリノベーションした店。
外にあるベンチ でものんびりコーヒーを楽しめる。
白を基調とする落ち着いた雰囲気の店内。
1人用のテーブル席もあり、
ゆっくりと過ごすことができる。
朝昼問わず注文可能な「ぱんプラスプレート」。
自家製パン3種と野菜がのった彩り豊かなひと皿。
こだわりのパンはテイクアウトも可能。
パンやタルトの型を使用したライトは
店主のご主人の手作り。柔らかな光が印象的だ。

店舗情報

パンと喫茶 ぱんプラス
のどかな田園風景に囲まれてひっそりと佇む、白を基調とした可愛らしいカフェ。パンの販売もおこなっている。駐車場は店舗前に完備。

MAP

〒431-2214静岡県浜松市北区引佐町横尾1158
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