気ままにカフェめぐり

年間300件以上のお店をめぐる編集者・かにぃさんが中部地域のカフェをご紹介

穏やかに時が流れる空間で
体に優しく、心が喜ぶ食事を
食堂カフェharuco(長野県長野市)

December 25. 2025(Thu.)

素材とバランスを考え
季節感を大切にした食事

創建1400年余を誇る長野県の善光寺。そのお膝元で育ったという店主が、善光寺から少し離れた阿弥陀山の麓で小さなカフェを営んでいる。緑豊かな山々と川に囲まれた静かな里山に、古き良き昭和を彷彿とさせる家屋。店内に並ぶのも、使い込まれた古道具のテーブルやイス、本棚、懐かしい足踏み式のオルガン。柔らかな日差しに包まれ、懐かしさと優しさがにじむ温かい雰囲気が漂う。「もともと夫のおばあちゃんが住んでいたところを改装しました。オルガンは閉園になった保育園からやってきたもので、私がたまに練習しています」と穏やかな笑顔で話す。

「子どもの頃から家族の食事やお弁当をつくることが好きでした。看護師の道に進みましたが、いつか自分の店を持ってみたいと考えていました。看護師の仕事を辞めてコーヒーショップやケータリングの会社で働きながら、自分はどんな店をやりたいのかを考えていました」。
コンセプトが決まったのは、子どもの喘息がきっかけだった。「健康のために大切なのは食べることだと実感しました。看護師時代を振り返っても、ちゃんと食べる患者さんは治るのが早かったですね。だから、スイーツやコーヒーだけではなくてきちんとした食事をお客さんに食べてもらいたいと思いました」。
そうして、「体に優しく、心が喜んでくれる食事」をテーマに店を立ち上げた。

ランチは2種類に加えお子さま限定の定食があり、約2ヶ月に1回のペースで内容が変わる。今回は看板メニューのharuco定食をオーダー。この日のメインは豚肉の生姜焼きだ。
「私が食べて本当においしいと思ったから」と豚肉は山形県の平田牧場のものを使用。しっとりと柔らかい豚肉に甘辛いタレをたっぷりと絡めた生姜焼きは、「奇をてらわずに、白いご飯に合う味付けを大切にしています」との言葉通り、ご飯がどんどん進むひと品。その米は、長野県の木島平村や飯山市の農家から購入するこだわりようだ。野菜も朝一番に産直市場へ足を運び、旬のものを厳選。たっぷりと添えて、バランスのよい定食に仕上げる。また、地元の味噌を使う味噌汁も、シャキシャキとした野菜の食感を残すためにひと工夫が施されている。それだけでも十分に、ご飯のお供として満足できる。「できるだけ地元のものを取り入れるようにしています。ここで私たちと一緒に育つ野菜だから体に合う。まさに身土不二ですね」。

お腹も心も大満足の食事を楽しんだ後には人気のスイーツ「ぷりん」とコーヒーでティータイム。全卵でつくるプリンは昔ながらのほどよい硬さで卵の味が濃厚。きび砂糖で仕上げたほろ苦いカラメルと、雲のようにふんわりと載せられた生クリームがいい仕事をして、さらにプリンの優しい味を引き立てている。「これだけを食べに遠くからいらっしゃる人もいます」という店主の言葉にも納得だ。

民家をリノベーションしたカフェ。店名の
「haruco」は店主の祖母の名前からとったもの。
白い壁に、窓から陽光が差し込む店内。
心穏やかに時が過ごせる。
オルガンは閉園になった保育園からやってきたもの。
店内をより一層温かみのある空間に。
季節でメニューが変わる、一番人気の「haruco定食」。
体に優しい素材でつくるランチ。
食後にはスイーツと珈琲もおすすめ。むっちり硬めな昔ながらの「ぷりん」。

店舗情報

食堂カフェharuco
“体に優しく、心が喜んでくれる食事”をテーマに、2023年にお店をオープン。閑静な場所にひっそりと佇む食堂カフェ。素朴な味わいの定食が魅力。

MAP

〒381-1221長野県長野市松代町東条1955−4
電話番号:080-7580-0427
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