中部和菓子図鑑

高島屋の和菓子バイヤーが中部地域注目の和菓子をご紹介

善光寺のお膝元
焼き菓子で名を馳せる名店
太平堂・長野県長野市

November 26. 2025(Wed.)

焼き菓子が得意なのは
ルーツがパン屋だから

太平堂の和菓子の多くはオーブンを使った焼き菓子。パン屋として創業したとの歴史を聞けば、焼き菓子が得意な理由に納得できます。
創業者である橋本新吉は、軽井沢のパン屋で修行をしていました。地元である長野市に戻って太平堂を創業したのが1907年。小麦粉を使った美味しいパンが日本では珍しい時代です。またたく間に人気店となり、やがて洋菓子や和菓子もつくるようになっていきます。その流れを受け、現在も太平堂では毎日お菓子と同様にパンを焼いています。種類が豊富なため、パンを目的に来店するお客さまも多いのだとか。
2代目の時代に、現在の太平堂の代表銘菓といわれる「まほろばの月」や「裾花」、「栗ひろい」などを開発。どれも爆発的な人気商品となりました。昭和になると、長野市内の繁華街に店舗を構え、毎日店のシャッターが開く前から行列ができたとのエピソードがあるほど。
創業者から現在の4代目当主まで貫いている和菓子づくりへの思いは「品質のよい材料を使うこと」「防腐剤などは使わないこと」なのだそうです。

ゆるやかな坂になっている善光寺の参道。
土産品店などの軒が並ぶ
善光寺銘菓といわれる「まほろばの月」は
常に人気商品ランキング上位。
洋菓子にも力を入れており、
中でもレモンケーキは人気商品のひとつ。
「古いアルバムが出てきました!」と女将さんが
見せてくれた写真。左から4人目が代表銘菓を開発した2代目。

【店舗おすすめ】「信州 栗ひろい」

これぞ和菓子と洋菓子のコラボレーションと呼んでいいお菓子ではないでしょうか。
パイ生地に細かく刻んだ栗と白あんが包まれ、焼き上げられています。サクサクしたパイ生地と、しっとりとしたあんとの組み合わせは、どこか懐かしくもあり、バターの香り漂う雰囲気は「ハイカラ」の言葉が思い浮かびます。
「ティータイムにぴったりですが、ジャズをかけながらウイスキーのロックなどとも合いそうですね」と現当主の佐藤務さん。確かにお酒のお供としても活躍しそうなお菓子です。
パイ菓子はほかにも、春にはさくらパイ、初夏にはあんずパイなどが季節限定で販売されるので、そちらもチェックしたいですね。

パイ生地の折り畳み方が独特。
まるで風呂敷で手土産をくるんでいるかのよう。
何層にも重なったパイ生地の
サクサク感が美味しさのポイント。
希望すれば「裾花」と「信州 栗ひろい」を
パッケージしてもらえる。

店舗情報

太平堂 善光寺大門店
善光寺の参道沿いに店を構える。土産品の菓子だけでなく、パンの種類も多く扱い、観光客だけでなく地元の常連客も頻繁に来店。善光寺大門店のほかに、徒歩5分ほどの距離にある本店(長野県長野市旭町1132)でも、同様の商品が並んでいる。

MAP

〒380-0841長野県長野市大門町65
電話番号:026-238-6662
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