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中部地域の注目パーソンにインタビュー!

番外編
ガイアフローディスティリング株式会社 代表取締役
中村大航さん
ウイスキーを通して
静岡の魅力を発信したい

December 25. 2023(Mon.)

「交流Style」の前身「交流」で、過去にご紹介した方のその後に迫ります。
今回は、2020年6月にご登場いただいたガイアフローディスティリング株式会社代表で「ガイアフロー静岡蒸留所」にてウイスキー製造をおこなう中村大航さん。新たに発売した“オール静岡”ウイスキーについて、また現在や今後の活動について伺いました。

ー前回の記事はこちら
番外編 ガイアフローディスティリング株式会社 代表取締役 中村大航さん“静岡らしいウイスキー”を目指して

ー過去のご紹介記事はこちら
【「交流」no.116 P2~5】

ついに第一弾が発売、
夢のオール静岡ウイスキー

2020年当時、中村さんが語っていたのは「いずれは静岡県産大麦100%のオール静岡ウイスキーを皆さんに届けたい」という夢。創業当時から秘めていた思いで、大麦はもちろん、仕込み水、発酵槽、直火蒸留機の薪と、すべてが静岡県産。このプロジェクトから誕生した第1作目が「100%静岡大麦」。2016年に収穫した大麦を2018年に蒸留。5年の熟成期間を経て、2023年11月にボトリングされました。

「静岡での大麦栽培からスタートしたこのプロジェクト。今回は、カスク(樽)オーナー向けのものでごく少量ですが、今後はより多くのみなさまのもとに届くように仕込みをおこなっています」と中村さん。

地域、業界とのつながりを強固に

毎年開催している「静岡クラフトビール&ウイスキーフェア」など、イベントの主催・参加も積極的におこなっており、ウイスキー人気の拡大、地元の酒造メーカー同士の繋がりの強化など、地域や業界の活性化に繋がっています。

また、地域とのつながりを重要視している中村さん。「新規の、しかもウイスキーという商品を扱う弊社のような存在にとって、地域とのつながりは不可欠なものです。大麦を栽培している農家さんや、工業センターの方、県や市の関係各所のみなさまにご協力をいただいています」と語ります。

さらに、2023年からは「ウイスキースクール」をスタート。麦芽の粉砕から熟成まで、ウイスキーづくりを2日間にわたって体験できる特別なプログラムで、通常では見られない製造現場を見学でき、ウイスキーへの理解が深まると大人気。

「静岡クラフトビール&ウイスキーフェア」は
2023年10月の開催で7回目を数えた。
5,000人以上が訪れたそう。
「ウイスキースクール」は、今後プログラムの
拡充を予定しているとのこと。
蒸留所の見学ツアーも随時おこなっている。

ウイスキーを介して
家族や仲間の絆をつくる

今後、ウイスキーの輪をさらに広げるために、中村さんが注力している商品が「プライベートカスク」です。
静岡蒸溜所の2基の蒸留機(ポットスチル)を使い分け、全く違う個性を持った原酒、サイズや履歴の違う樽、産地の違う大麦麦芽などから購入者自身ががチョイスして、世界にひとつだけのウイスキーを手にすることができるのです。
「酒類関係者以外にも、家族や仲間、バーなどの飲食店向けにも販売しています。家族の記念や、ウイスキー好きの集まり、バーのお客さまとのコミュニケーションづくりなどでも重宝いただいています」と中村さん。
1人で嗜むウイスキーも良いですが、仲間同士で熟成の時間も含めて共有する楽しみ方も継続して提供したいとのこと。ウイスキーファンの裾野が広がっていくことを願って取り組んでいます。

静岡のシングルモルトを
世界中の人に届けたい

最後に、今後の展望について伺いました。
「当面の目標は、7年もののシングルモルトを安定的にリリースできるようにすること。それには、まだ2~3年かかります。静岡にある魅力ある場所、モノのひとつとして、国内にも海外にも発信できればと考えています。世界のさまざま場所で、自由にお愉しみいただけるようなウイスキーをリリースしていきたいですね。いつか、出来たシングルモルトを世界中の方々に飲んでいただけるよう、各国を回りたいです」

「長期的なビジョンと広い視野を持って、
クオリティーの高いウイスキーを造り続けて
いきたい」と中村さん。

プロフィール

ガイアフローディスティリング株式会社 代表取締役
中村 大航
静岡市清水区生まれ。製造業を営む家に生まれ、事業を継承するが、酒造経験がないまま、まったく畑違いのウイスキー事業を興す。2012年1月、ガイアフロー株式会社を設立し、ウイスキーの輸入販売を開始。2014年10月、ウイスキーの製造会社・ガイアフローディスティリングを設立し、2016年8月にガイアフロー静岡蒸留所竣工。同年10月からウイスキー製造を開始した。
ガイアフロー静岡蒸溜所
静岡在住のアメリカ人建築家デレック・バストン氏の設計で、外装・内装ともに静岡の木材がふんだんに使われている。静岡の風土に根ざしたウイスキーづくりがなされる場所として、またオクシズの代表的なスポットとして新たな風景となっている。

MAP

静岡県静岡市葵区落合555
電話番号:054-292-2555
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