むすぶひと、つなぐひと

中部地域の注目パーソンにインタビュー!

バレーボールとお菓子
「好き」に夢中な人生

菓子屋shirushi 代表
黒部 恵さん
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April 06. 2026(Mon.)

愛知県犬山市にある「菓子屋shirushi」。代表・オーナーパティシエの黒部 恵さんがこの店をオープンしたのは2020年のこと。看板商品のレモンケーキをはじめとする焼き菓子が店頭を彩り、芳ばしい香りに満たされている。地元の食材を積極的に使うだけでなく、日本の季節の繊細な移り変わりをお菓子に表現しており、地元のみならず遠方からも多くの人が足を運ぶ人気店だ。
好きなことにとことん取り組んできた黒部さんに、これまでの歩みや、人の心を動かすお菓子づくりについてお話を伺った。

第1回目となる今回は、黒部さんの人生観をつくったバレーボールについて、また「菓子屋shirushi」オープンのきっかけについてお聞きした。

小学生から高校まで
バレーボールに打ち込む日々

―ご出身は岐阜県下呂市だと伺いました。どんな幼少時代を過ごされたのですか?

実家は家族経営の漬物店です。休みはお正月だけで、あとの364日は父母も祖父母も毎日仕事をしていました。遊びといえば川で泳いだり谷を駆け巡ったりする毎日。まるで男の子のような子どもだったと思います。

―お菓子づくりもこの頃から?

小学校3年生の頃、いとこの家でお菓子やパンをつくる機会がありました。それがとても楽しく、人を喜ばせる面白さを感じて、なんとなくこんな仕事に就きたいなぁと考えていました。でも一番夢中になっていたのはバレーボールでした。好きで好きで仕方がなくて、朝から晩まで練習にあけくれていました。

―お菓子ではなく、スポーツだったのですね。バレーボールの道に進もうとは思わなかったのですか?

高校生までバレーボール漬けの毎日でしたが、将来にバレーボール選手という選択肢がないことは解っていて、進路には随分悩みました。でも、もうひとつの可能性があるとしたら「お菓子の道」だとおぼろげに感じ始めていました。バレーボール部の部室に時々お菓子をつくって持っていっていて、バレーボールに熱中していながら、お菓子づくりは身近な存在でした。そうして京都の製菓学校に進学することを決めました。

菓子屋shirushi 代表の黒部 恵さん。
「何よりバレーボールを優先していた」と振り返る。

菓子づくりの技術を磨き
コロナ禍を機に独立へ

―高校卒業後、本格的にお菓子づくりを学んでいくわけですね。

製菓学校で学び、卒業後は名古屋のパティスリーに就職しました。誰よりも早く技術を覚えたいと、必死でお菓子づくりに向き合う毎日を送りました。

―当時から、自分の店を開きたいといった夢をお持ちだったのでしょうか?

いえ、当時から考えていたわけではありません。就職後、1年ほどして同じ名古屋市内の別のパティスリーに転職し、結婚・出産を経験。さらにその後、愛知県江南市のカフェで、パティシエとして厨房を任せてもらうことになりました。子育てと仕事を両立する中で、将来のことが見えてきて、いつか自分のカフェをやれたらいいな、と夢を持ち始めました。

―お菓子を軸にして、人生が展開していったのですね?

そうですね。江南市のカフェでのパティシエ経験から、マルシェ出店につながりました。また一方で、バレーボールも続けていて、地域のママさんバレーチームに入りました。バレーボールで出会う人はみなさん情熱的で、刺激をたくさん受けました。体を動かすことが大好きなので、お菓子とバレーボールと家のこと、どれも必死でしたが、毎日充実していて大変だとは思わなかったですね。

―そこから、どのような経緯で独立へと進まれたのですか?

お世話になっていた江南市のカフェが、残念ながらコロナ禍で閉店になってしまったことがきっかけです。漠然とですが、「いつか自分のお店をやってみたい」と考えていて、以前から物件を探したり周囲に相談したりしていた中で、悩みつつもお菓子屋を開いてみようと決断しました。

―そして2020年に「菓子屋shirushi」をオープンされます。

コロナ禍で、この先どうなるかわからない社会情勢でしたが、「大丈夫、道はきっと拓ける」と自分に言い聞かせて、オープン準備を進めていました。そしてオープンした日は、驚くほどたくさんの祝花が届いて、多くのお客さまが来店してくださり、もう嬉しくて涙が止まりませんでした。困難だったオープンまでの道のりは、バレーボールの仲間たちや友人・知人が応援してくれました。私の負けん気や頑張りを培ってくれて、素晴らしい人たちに巡り会わせてくれたバレーボールに、私の人生は支えられているんだなとその時に改めて実感しました。

「菓子屋shirushi」オープンの日。

プロフィール

菓子屋shirushi オーナーパティシエ
黒部 恵(くろべ けい)
岐阜県下呂市出身。製菓学校を卒業後、名古屋市内の洋菓子店2店で修業を重ね、愛知県江南市のカフェでパティシエとして活躍。2020年秋、愛知県犬山市で「菓子屋shirushi」を開業。翌年にはshirushiの2Fに「本屋tsuide」をオープンさせた。2026年秋には、新ブランドをスタートさせる予定。
菓子屋shirushi
朝の開店を目指して訪れる熱心なお客さまがいるほど、大人気の菓子店。焼き菓子を中心に、季節感あふれる中部の地元食材を使った菓子がずらりと並ぶ。2階では、食をテーマにした本屋・カフェスペースの「本屋tsuide」があり、菓子とコーヒーを楽しむことができる。店名は、「ほんのしるし」「感謝のしるし」「季節のしるし」の願いが込められている。

Instagram
https://www.instagram.com/kashiya_shirushi/

MAP

〒484-0083愛知県犬山市犬山東古券224-4
電話番号:0568-48-5523
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