
中部地域の注目パーソンにインタビュー!
「メグラスガーデン ナゴヤ」が伝える
都市の暮らしを潤す緑の力
樹木医・ガーデンプロデューサー 塚本こなみさん
ガーデンデザイナー 小倉珠子さん
(3/3)
June 26. 2026(Fri.)
2026年4月のオープン以来、多くのガーデニング愛好家たちが注目を寄せる名古屋市港区の「メグラスガーデン ナゴヤ」。“365の季節を持つガーデン”というコンセプトの通り、一年を通じて表情を変える多年性植物「宿根草(しゅっこんそう)」を中心に、たくさんの花と緑が美しく園内を彩っている。この施設を手掛けたのが、樹木医・ガーデンプロデューサーの塚本こなみさんとガーデンデザイナーの小倉珠子さんだ。
第3回目の今回は、都市における緑の役割について、また2人のこれからについてお聞きした。
ー前回までの記事はこちら
感動を生むガーデンづくりに向き合う2人が「メグラスガーデン ナゴヤ」に込めた想い 樹木医・ガーデンプロデューサー 塚本こなみさん ガーデンデザイナー 小倉珠子さん(1/3)
ともに「木登り」が大好き 2人の感性を育んだ幼少期とは 樹木医・ガーデンプロデューサー 塚本こなみさん ガーデンデザイナー 小倉珠子さん(2/3)


夏の猛暑が激しい今の時代こそ
都市部の緑が求められている
――メグラスガーデン ナゴヤは、この地域で暮らす人たちに、どのように貢献し寄り添えるとお考えですか?
塚本さん 年を追うごとに夏の猛暑が激しくなっていく中で、これからはより一層、都市の中に緑地が求められていく時代になるのではないでしょうか。メグラスガーデン ナゴヤが果たす役割はとても大きいと思っています。
――都市部における貴重な自然環境といえそうですね。
小倉さん 「都市の中の緑」の視点では、名古屋市は素晴らしいと思います。久屋大通公園をはじめ、市内の中心地に巨大な樹木が育ち、レストランやショップと共存している。都市の中に緑があることは、花や緑を鑑賞するだけでなく、さまざまな生物が暮らす場所をつくります。また、木陰が暑さを軽減してくれたり、二酸化炭素を吸って酸素を出してくれたりする。身近な場所にある緑は、都市にこそ必要なんです。


ガイドツアーも開催。
塚本さん 都市部では、ご自宅に広い庭を持つことがなかなか難しくなっていますが、ぜひ1坪でもいいのでオアシスのような効果をもたらす小さな庭をつくって欲しいですね。プランターで楽しむのもいいと思います。そうすればきっと心も目も喜ぶと思うんです。
小倉さん 私もぜひそうしてほしいです。たとえ1本でもいいので、木を植えてほしいですね。その木の足元に花を植えるだけでも、季節の移ろいを感じられますよ。小さな緑が街の中で少しずつ広がっていけば、チョウやミツバチなどの生き物の居場所を守り、生物多様性を育むことにもつながっていくはずです。メグラスガーデン ナゴヤにおいても、生物多様性は大事なテーマとしてさまざまな形でデザインのなかに織り込んでいます。


気付いてほしい」と塚本さん。


花と緑への熱い想いは
次代へと受け継がれていく
――お二人はこれから、どのような活動をしてきたいとお考えですか?
塚本さん 私は70歳を超えたこともあり、「そろそろバトンタッチをする時期かな」と思っているところです。その意味でも小倉さんにはこれからも日本のガーデンを牽引していってほしいです。
小倉さん 私の目下の課題は情報発信だと思っています。SNSなどでの発信は、本当はすごく苦手なんです。でも、自分が手掛けているガーデンの魅力をとても上手に伝えているガーデンデザイナーやガーデナーさんは多いですよね。私もメグラスガーデン ナゴヤのこと、そして、魅力あふれる花や緑、特に宿根草の奥深さなどを積極的に発信し、たくさんの方に楽しんでいただけるよう頑張っていきたいです。「木に命があること」を自らの力で伝えてきた塚本さんを見習い、植物に触れる楽しさや喜び、その存在の素晴らしさを感じていただけるよう、さらに活躍の幅を広げていければと思います。


プロフィール
- 塚本こなみ(つかもと こなみ)/小倉珠子(おぐら たまこ)
- 塚本こなみさん/静岡県磐田市出身。造園業を営む夫の仕事を手伝ううち、一級造園施工管理技士を取得。1992年、日本で女性初の樹木医資格取得。ガーデンプロデューサーとして数々の施設を再生してきた実績を持つ。1996年に大藤移植を成功させた「あしかがフラワーパーク」(栃木県)は、米CNN「世界の夢の旅行先10カ所」(2014年)にも選出。2013年以降、「はままつフラワーパーク」(静岡県)の理事長を務める。 小倉珠子さん/静岡県浜松市出身。ランドスケープ&ガーデンデザイナー。東京農業大学造園学科を卒業。ランドスケープコンサルタント会社を経て渡英。英国の大学でガーデンデザインを学び、帰国後は浜松市を拠点に活動。浜名湖花博などの国際的な園芸イベントの設計や運営に携わるほか、個人庭園や公共空間の設計、植栽デザインなどを手掛ける。世界最大級のデザインコンペ「A’Design Award & Competition」にて、2015年Landscape Planning & Garden Design部門銀賞を受賞するなど、数々の賞を受賞。


- Megrass Garden Nagoya(メグラスガーデン ナゴヤ)
- 2026年4月、名古屋市港区の海沿いにグランドオープンした庭園施設。折り重なるような造りの6つのゾーンで構成されており、一年を通じて「花のリレー」が行われるのが特長。春限定で公開する特別な空間「秘密の花園」では、花々に囲まれる没入体験を存分に楽しめるなど、「アート鑑賞のようにガーデンを楽しむ」という新しい価値を提案し、訪れる人たちに植物の力でたくさんの感動を届けている。
Instagram
https://www.instagram.com/megrass_garden_nagoya/





