おとなの相談室

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ブロカントってどんなもの?
ブロカントで美しい暮らしを
(1時間目)

July 05. 2023(Wed.)

古くなったからといって捨てるのではなく、年月の経ったそのものの中に味わいや美しさの価値を見出す。“美しいガラクタ”と称されるブロカントには、そんな精神が感じられる。おうち時間を大切にする習慣ができた昨今、ライフスタイルの一つとして暮らしに取り入れてみてはいかがだろうか。今回は、岐阜県多治見市で「カトリエム・メゾン」「フルール・カトリエム」を営み、ブロカントや花のある暮らしを提案する、横田泰朗さんにお話を伺った。
第1回目では、ブロカントの考え方やその魅力、始め方について指南していただいた。

撮影協力/4equatrieme(カトリエム)(岐阜県多治見市)
https://4equatrieme.com/

フローリスト
横田 泰朗
岐阜県多治見市で、ブロカントを中心にした雑貨の販売と教室も行う「カトリエム・メゾン」と、花屋「フルール・カトリエム」を営む。フローリストとして、結婚式場のフラワーアレンジなども手掛ける。ブロカントや古着をこよなく愛し、暮らしにも取り入れている。
https://4equatrieme.com/

1時間目
“ブロカント”って
どんなもの?

生活に密接する
“美しいガラクタ”

ブロカントとは「古道具」「古道具市」を意味するフランス語です。「美しいガラクタ」と称されることもあるように、フランスの蚤の市など古道具市で売っているような古くて美しい道具のことを指すそうです。
食器など生活雑貨といったものまで、暮らしに密接したものが中心とのこと。高価なものでなくても、長い時間をかけて愛用されるなかでできた擦れやキズが美しさを醸しているのです。

「一般的にブロカントと言うと、フランスやイギリスといったヨーロッパのイメージがありますが、国を限定せず、大切に長く使われてきた古道具のことをブロカントと捉えています。弊店には、フランスのものを中心に、私が素敵だと感じたモロッコやトルコの古くて美しいアイテムも並べています」(横田さん)

ブロカントは
どこで出合える?

「フランスでは各都市でさまざまな蚤の市が開催され、家庭にある古い器や道具などを売ったり、買ったりするフリーマーケットのような場になっています。お宝が眠っていることもあり、世界からバイヤーが買付に訪れるそうです。日本でも、蚤の市などで仕入れたアイテムを扱う雑貨店に行くとブロカントに出合うことができますよ」(横田さん)

フランスでは古道具を使うことが日常になっているのでしょう。
ブロカントという言葉がフランスで生まれた背景には、ものを大切にし、古くても味わいのある美しいものに価値を見出す文化が根付いていることがあるのだと思います。

部屋の一角に
“お気に入り”を飾ってみよう

自宅にブロカントを取り入れるなら、まずは、自分が「好き」だと感じたものを部屋の一角に飾り、お気に入りのコーナーづくりから始めるのがおすすめ。そして、少しずつアイテムやスペースを増やし、暮らしに馴染ませていくと良いでしょう。

ブロカントを暮らしに取り入れている横田さんは、自宅に「好き」と感じたアイテムをそろえているそう。
「トレイ(写真上)は、バラをモチーフにしています。フランスの蚤の市で見つけたお気に入りのアイテム。あえてバラの花を付けず、棘と葉のみで表現しているところに惹かれました。また、もう一つお気に入りは花や虫の標本たち(写真下)。粉々になってしまっているパーツもありますが、傷や染みなども味わいに変わる。それが、ブロカントの魅力なのです。」(横田さん)

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