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「苔テラリウム」とはどんなもの?
〜「苔テラリウム」の
世界をつくろう〜
(1時間目)

January 08. 2024(Mon.)

ガラス容器に自然の景色を閉じ込めた、おしゃれなインテリアアイテム「苔テラリウム」。数々の作品を生み出している苔アーティストの松井馨可さんに、その魅力や楽しみ方を指南してもらう。1時間目の今回は、「苔テラリウム」を日常に取り入れる魅力について話を伺った。

mossloulan 楼蘭 代表 
松井馨可(かおるか)
約20年前に中国から来日。ホームセンターの総合園芸部で働き、植物に関する知識を身につける。苔の持つ生命力に魅せられ、7年前より東京で学び、苔アーティストに。「苔盆景」や「苔テラリウム」をインターネットやイベントで販売。「とよかわオープンカレッジ」などで「苔テラリウム」の講座を担当。2022年4月1日に、実店舗「mossloulan 楼蘭」(モスロウラン)を愛知県豊川市にオープン。「苔テラリウム」のワークショップを開催し、自身の作品やオリジナルの土も販売している。
https://loulanmoss.shop-pro.jp/

1時間目
部屋の中で
自然を堪能できる
「苔テラリウム」

室内にグリーンを飾る
その魅力とは?

透明なガラス容器の中で植物や動物を育てる「テラリウム」。デスクや飾り棚、玄関などに置くことのできるサイズのものも多く、おしゃれなインテリアアイテムの一つとして注目を集めています。
テラリウムは「大地」を意味する「terra(テラ)」と「場所」を意味する「arium(アリウム)」という2つの言葉を組み合わせた造語。語源にあるように、水槽やガラス瓶、グラスなどのガラス容器に土で大地をつくり、多肉植物や苔のほか小動物を育てる小さな自然空間を表現します。

「手のひらサイズのガラス容器に広がる小さな自然をぼーっと眺めていると、ストレスや考え事から離れることができるようです。『仕事の疲れが取れる』『一人暮らしの寂しさがやわらぐ』という声をお客さまから聞いたこともあります」(松井さん)

そして、数あるテラリウムの中でも、苔を使った「苔テラリウム」は初心者におすすめです。

「苔テラリウム」が
注目されている理由

苔テラリウムの魅力は、育てやすさにあります。苔植物は水と光だけで育ち、生命力が強いという特徴があります。観葉植物のように肥料をあげたり、植え替えたり、毎日水やりをしたりする必要はなく、忙しい人でも気軽に始めることができます。

万が一水やりを忘れてしまっても枯れることはないので、「観葉植物を枯らしてしまったことがある」「たまに水をあげ忘れてしまう」「ガーデニングは苦手」という人でも安心して育てることができるでしょう。

さらに、苔植物は山野草との相性も良く、紅葉や紫陽花といった四季を感じられる植物を一緒に植えることもできます。

ガラス容器の中につくる
記憶の中の“絶景”

苔テラリウムでは、土台となる土で土地の高低差をつくり、苔植物や小石、カラーサンドを配置することで、自然を表現していきます。自然の素材を用いるので、一つとして同じ色や形のものはなく、“世界で一つだけ”の作品をつくり上げることができます。

1枚目の写真を見てください。左から海、渓谷、池の景色です。青いカラーサンドを広げると海が、土台で高低差をつければ渓谷が、くぼみを作れば池が表現できるのです。

また、ガラス容器の大きさや形、色は自由。選ぶガラス容器によっても、さまざまな景色が生まれます。2枚目の写真は、左から滝、渓谷、池をイメージしています。渓谷を表現するのには、底が丸いグラスがおすすめです。高さのあるグラスを使えば、滝を表現することもできます。

旅先で出会った絶景や思い出の風景などを再現したり、想像した景色をつくり出せるのが苔テラリウムの魅力です。忙しくて出かけられないときも、ガラス容器をそっと覗き込むだけで自然の景色を堪能しているような気分が味わえるなんて素敵だと思いませんか。

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