知っているようで知らなかった悩みに、専門家がお答えします
初心者でもできる作り方を指南!
〜「苔テラリウム」の
世界をつくろう〜
(2時間目)
January 15. 2024(Mon.)
ガラス容器に自然の景色を閉じ込めた、おしゃれなインテリアアイテム「苔テラリウム」。数々の作品を生み出している苔アーティストの松井馨可さんに、その魅力や楽しみ方を指南してもらう。2時間目の今回は、初心者でも簡単にできる「苔テラリウム」の作り方を紹介する。
ー1時間目の記事はこちら
「苔テラリウム」とはどんなもの?〜「苔テラリウム」の世界をつくろう〜(1時間目)
- mossloulan 楼蘭 代表
- 松井馨可(かおるか)
- 約20年前に中国から来日。ホームセンターの総合園芸部で働き、植物に関する知識を身につける。苔の持つ生命力に魅せられ、7年前より東京で学び、苔アーティストに。「苔盆景」や「苔テラリウム」をインターネットやイベントで販売。「とよかわオープンカレッジ」などで「苔テラリウム」の講座を担当。2022年4月1日に、実店舗「mossloulan 楼蘭」(モスロウラン)を愛知県豊川市にオープン。「苔テラリウム」のワークショップを開催し、自身の作品やオリジナルの土も販売している。
- https://loulanmoss.shop-pro.jp/
必要な材料は?
どこで買える?
苔テラリウムは下記のものを用意すれば、簡単につくることができます。
①ガラス容器
②土
③苔
④石
⑤カラーサンド
⑥ピンセット
⑦プラスチックスプーン
⑧園芸用ハサミ
⑨霧吹き
⑩拭き取り用ティッシュ
苔は、主に乾燥や暑さに強い「ヤマゴケ」と容器内の湿度を高めてくれる「ミズゴケ」を使い、アクセントとして育てやすく見た目が立体的な「ヒノキゴケ」を使います。土は赤土を乾燥させた「赤玉土」とイネの籾殻を炭化させてつくる「くん炭」を4:1で混ぜると、苔の育ちやすい土になります。これらは、ホームセンターの園芸コーナーで買うことができます。
石は川原や道端にある自然のものを使ってみましょう。
それ以外のアイテムは、100円均一でそろえられるものばかり。
また、ガラス細工や小さなフィギュアなどを置くと、さらにストーリー性を加えることができるでしょう。
インターネットで制作キットも販売されています。
実際につくってみよう!
土台で地形を表現
今回は“雪景色の渓谷”をテーマに苔テラリウムをつくっていきます。
まずは土台となるミズゴケと土を入れていきましょう。
【STEP1】
最初に水で湿らせたミズゴケを容器の底に敷きます。プラスチックスプーンで押さえて1~2cmになるくらいが適量です。
【STEP2】
ミズゴケの上に土を乗せていきます。土の盛り方で、渓谷の高低差や池のくぼみといった地形を表現します。ガラス容器の奥を高く、手前を低くして立体的に。
プラスチックスプーンで押さえて、容器を逆さにしても落ちてこないくらいにしっかりと固めるのがポイントです。
【STEP3】
土を入れ終えたら、霧吹きでガラス容器の内側を湿らせて、ピンセットで挟んだティッシュを使って汚れを拭き取ります。
ガラス容器の汚れをこまめに取ることで、仕上がりがきれいになります。
想像力を働かせて
石や砂で景色をつくろう!
次に、小石やカラーサンドを配置して自然を表現していきます。
【STEP4】
小石は、形や大きさの異なるものをいくつか選びましょう。偶数個より奇数個のほうが配置した時のバランスが良くなります。色は似ているほうが全体がまとまりやすいでしょう。
2~3mm中に入るように、ギュッと土に押し込みます。
【STEP5】
プラスチックスプーンで、川の形になるようにカラーサンドを入れていきます。今回は、白色のカラーサンドの上から青色のカラーサンドを乗せることで、雪の渓谷を流れる川を表現。手前を広く、奥を狭く配置することで、遠近感を出すことができます。
カラーサンドは、スプーンをガラス容器の奥にまで入れ土の近くでそっと落とすと、散らばらずきれいに仕上がります。
最後に苔を植えて完成!
きれいに仕上げるコツは?
最後に、山道の草をイメージした「ヤマゴケ」と森に見立てた「ヒノキゴケ」を植えていきます。
【STEP5】
「ヤマゴケ」は裏返し、茶色くなった部分を園芸バサミでカットします。見た目の良い、緑の部分のみを植えましょう。
【STEP6】
ピンセットで、土の上に「ヤマゴケ」を配置していきます。苔は根を張らない植物のため、土に置いて少し押すような形で活着させます。初心者はなるべく塊で置いていきましょう。
【STEP7】
「ヤマゴケ」と小石の隙間に、「ヒノキゴケ」を植えます。1本ずつピンセットで少し土に押しこんでいきます。
【STEP8】
お好みでフィギュアを置いたら、苔テラリウムの完成です!