
知っているようで知らなかった悩みに、専門家がお答えします
暮らしをもっと心地よく
照明の基本を知ろう
(1時間目)
April 10. 2025(Thu.)
春は気分を新たにしたくなる季節。でも、部屋のインテリアを一新するのは、なかなか難しいですよね。
そんな時、注目したいのが「照明」。照明の効果や取り入れ方のコツを知ることで、より居心地の良い空間にすることができます。照明のひとつを取り替えたり、追加したりするだけでお部屋の雰囲気や表情がグッと変わります。
今回は、照明の専門家・平林大典さんにあらためて知っておきたい照明の基本や種類について、教えてもらいました。

- ライティングコーディネーター・株式会社エクセレ 代表取締役
- 平林大典
- 一般社団法人日本ライティングコーディネート協会認定「ライティングコーディネーター」。電気設備設計・工事から販売まで幅広く照明に関する事業を手がける株式会社エクセレの代表。専門的で幅広い知識に基づき、ライフスタイルに合わせた理想的な照明空間づくりを手がけている。 名古屋市名東区に輸入照明を中心としたこだわりのショールーム「Elighting」も展開している。
- https://www.e-lighting.jp/
- https://www.instagram.com/e.lighting5/
暮らしに欠かせない照明の役割とは?

空間を明るく照らし、人の視覚をサポートする照明ですが、役割はそれだけではありません。
人間の体には「サーカディアンリズム」と呼ばれる約24時間周期のリズムが備わっており、このリズムの調整に光が大きく影響するといわれています。
使うシーンや場所、時間帯に合わせた照明を適切に選ぶことにより、体のリズムが整えられやすくなったり、暮らしがより快適になったりと、大きな効果があります。
日本の一般的なご家庭では、部屋全体を明るく照らす照明を部屋の天井中心に設置するのが主流。それ以外の照明は、あまり気に留めていないという方もいらっしゃるかもしれません。
そんな方こそ、照明の基本を知って実践するだけで、空間の居心地や気分にも変化が生まれると思います。これから照明の基本を一緒に学んでいきましょう。
照明の基本のキ!種類を知ろう①



照明の種類は大きく4種類、①主照明 ②間接照明 ③意匠照明 ④タスク照明が挙げられます。
①主照明
空間をまんべんなく照らす照明のことです。
天井に取り付けて使うタイプの「シーリングライト」や天井や壁などに埋め込む「ダウンライト」などが代表例です。
②間接照明
光を天井や壁に反射させて間接的な光で空間を照らす照明です。光源を直接見ることがないため、温かみのあるやわらかい光になります。壁や天井などの素材やインテリアを美しく見せたい時、開放感を演出したい時にも最適な照明です。
代表的なものに、床に直接置く「フロアスタンド」やテーブルなどに置く「テーブルランプ」、壁に取り付ける「ブラケットライト(シェードあり)」があります。
照明の基本のキ!種類を知ろう②


③意匠照明
照明としての機能性よりもデザイン性を重視した、空間のアクセントとなる照明です。
天井から吊り下げ、テーブルなどをスポット的に照らす「ペンダントライト」や「シャンデリア」などが代表例ですね。
「ペンダントライト」でも、まんべんなく光が広がるものであれば「主照明」に当たるものあります。
④タスク照明
読書や勉強、デスクワークなどをするときに使う照明です。勉強机に置いて手元を明るく照らす「デスクスタンド」などが代表例です。
ここまで照明の種類についてご紹介してきましたが、昨今さまざまなデザインの照明があり、例えば同じ「ペンダントライト」といわれる照明でも、デザインによって使うシーンが変わってくることも。
デザイン性が高く、部屋のアクセントに取り入れられるものなら「意匠照明」に分類されますし、広い範囲を照らせるものなら「主照明」になるものもあります。
照明を選ぶ時には、それぞれのデザインの特徴を踏まえてどんなシーンで使えるのかを考えてみてくださいね。