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DJに挑戦して音楽を楽しもう!
初心者でもできる?(2時間目)

February 22. 2024(Thu.)

クラブシーンやイベントなどをカッコよく盛り上げるDJ。ミュージシャンのような遠い存在でしたが、最近はDJを趣味として始める音楽好きの人も増えているそうです。2時間目の今回はDJスクール「MILLIONAIRE DJ SCHOOL」の代表、DJ EARNEE(冨田靖成)さんにDJプレイの基本の“キ”を教えてもらいました。

ー1時間目の記事はこちら
DJに挑戦して音楽を楽しもう!DJって何をするの?(1時間目)

「MILLIONAIRE DJ SCHOOL」代表
DJ EARNEE(冨田靖成)
東海地区のクラブダンスシーンを創り上げたレジェンドDJ。数々の有名クラブのレギュラーDJ、メインDJをはじめ、大規模音楽フェスでは国内外の有名DJと共にゲストとして参加。カリフォルニアのDJレコードプール「Promo Music」と提携し、世界へ向けて楽曲提供をおこない、2016年には「MILLIONAIRE DJ SCHOOL」を設立。2021年は、名古屋のミッドランドスクエア「スカイプロムナード」で開催された星空のシネマ「グレイテスト・ショーマン」、ノエビアスタジアム神戸で「ヴィッセル神戸ファイナルセレモニー」の演出をそれぞれ手掛けた。2022年より中部電力MIRAI TOWERのThe Tower Lounge CASHIMEにてDJイベント「MUSIK TOWER」をスタート。
https://www.millionairedjschool.com/

2時間目
DJのキホンを解説!

DJをするのに必要な機材と
初期費用は?

DJが趣味として広がった背景に、デジタル化により手の届きやすい価格帯の機材が増えたことがあります。

今は、以下の4つがあれば楽しめるようになりました。これらの機材は楽器店などで購入することができます。

①コントローラー…以前はターンテーブル2台とミキサーを別々に買わなければならなかったのですが、今はコントローラー1台でそれらの機能を備えています。将来的にプロの機材にも対応できる拡張性の高いものでも約4万円からあります。

②ヘッドフォン…次に再生する曲を聴くためのもの。曲と曲を繋ぐときに必要なアイテムです。プレイ中は動くことも多いので、伸縮するカールコードがついたものがベター。価格は約1万円から。

③スピーカー…一緒にいる人に聴かせるためのスピーカー。パソコンのスピーカーでも代用できますが、せっかく音楽を楽しむのなら購入することをおすすめします。価格は約2万円から。

④パソコン…音源を保存し、コントローラー専用のアプリを動かすために必要です。普段使っているノートパソコンがあればOK。

他にも、スマホのアプリなどさらに気軽にできる方法もあります。

どんな曲を選べばいい?
初心者へのおすすめ

大前提として、ご自身の好きなジャンルから始めればいいと思っています。クラブシーンでは「EDM(Electronic Dance Music)」という比較的速いテンポの曲が多いですが、R&BやHOUSE、ジャズ、K-POP、80年代のJポップなど何でもいいと思います。

今は音楽の配信サービスにより、あらゆるジャンルの曲を比較的安価で手に入れることができます。

初心者の場合は、生演奏の音源ではなく、デジタルで作られた曲を使うのをおすすめします。曲のテンポが規則的なほうが、曲同士の切り替えが上手くいきやすいからです。少し昔の曲でも、DTMで打直したリミックス版の音源もありますので、探してみてください。

プレイリストには複数のジャンルを混ぜても構いません。ただ、意識すべきは「グラデーション」。例えば、日本のヒップホップとK-POPを流したいときには、まずは日本のヒップホップを流して、韓国のヒップホップに繋げてからK-POPに持っていくほうが、一体感が出やすいでしょう。

DJのキホンは
曲を繋げる「ミックス」

使用する楽曲と順番が決まったら、楽曲同士をスムーズに繋げて再生していきます。コントローラーで右にあるものが再生中の曲、左にあるのが次に再生する曲で、これらを繋げることを「ミックス」といいます。ミックスをするにあたっては、2つのコツがあります。

まず1つ目は、楽曲のスピード、つまりテンポを揃えるということ。速さは1分毎の拍数「BPM(Beats Per Minite)」で表され、曲ごとに異なります。例えば、R&BはBPM60~100くらいで、ロックは150あたりが多いと思います。BPMはDJソフトで確認することができ調整もできるのですが、原曲とかけ離れると違和感を感じてしまいます。倍数またはなるべくBPMの近い曲同士を選んで組み立てていきます。BPMが倍数の場合も同じテンポとして耳に届くため、違和感なく繋げることができるでしょう。

そして2つ目は、適切なタイミングで曲を切り替えるということです。
曲はイントロ、Aメロ、Bメロ、サビ、アウトロで構成されています。その中で切り替えに適しているのはサビの後やアウトロです。

曲が重なる瞬間は、高音・低音の音量を調整する「イコライザー」を使って、同程度の高さの音が際立つように調節しながら、なるべく馴染むような感じでスライドさせていくと曲の切り替わりが自然になるでしょう。

曲と曲を合体させて
オリジナリティを発揮!

さらに、DJならではの表現を加えてみたい場合は「マッシュアップ」を試してみましょう。

「マッシュアップ」とは曲のオケ(演奏)とボーカル(歌)を分離して、Aという曲のオケにBという曲のボーカルを組合わせて再生するという技術です。その場合は、ミックスと同じようにBPMを合わせて重ねていきます。
意外な組み合わせを見つけて、原曲とは全く異なる楽曲を生み出すことも可能です。これは、DJがいなければ生まれなかった音楽。そう考えると、大きな喜びを感じられると思いませんか?

この「マッシュアップ」は以前だと上級者のテクニックだったのですが、DJソフトの進化により、オケとボーカルの分離がAIでできるようになりました。
初心者から始めても半年もすれば習得できるでしょう。経験を積まなくても、DJの世界を奥深くまで堪能できるようになったと感じています。

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