
知っているようで知らなかった悩みに、専門家がお答えします
発酵食品で
カラダ整う和食朝ごはん (2時間目)
June 19. 2025(Thu.)
1時間目では、「たぐちごはん」の田口夫妻から、ワンランクアップの朝ごはんのための、はじめの一歩をお話しいただきました。
2時間目では、実際につくるためのレシピを紹介していきます。
仕事がある日の朝ごはんは、腸活にも良いとされる発酵食品を効果的に使って、体の内側から整い、栄養バランスも取れる朝ごはんを提案します。
ー1時間目の記事はこちら
朝起きるのが楽しくなる!?気持ちが上向く朝ごはんづくり(1時間目)

- たぐちごはん
- 田口健太・有衣子
- 料理教室・お弁当および調味料販売などを軸に、食を通じて季節を楽しむコトを提案する「たぐちごはん」を名古屋市内にて主宰。美術教師だった健太さんとアパレルの仕事をしていた有衣子さんの共通の趣味が、友人たちと一緒に食事をつくって食べて楽しい時間を過ごすこと。自宅で自然発生的にスタートした食事づくりを、2020年に「たぐちごはん」として正式に独立・開業。以来、日替わりで提供するお弁当や参加者目線の料理教室が好評となり、料理教室は月間で250人ほどが受講する人気となっている。
- https://taguchigohan.com
- https://www.instagram.com/taguchi_gohan/
万能!発酵食品


「和食の調味料(味噌・醤油・みりん・酢など)には、多くの発酵食品が使われていますが、朝ごはんづくりの強い味方になります。たとえば、前夜から発酵食品に肉や魚を漬け込んでおけば、夜のうちに食材の旨みを引き出し、味を染みこませてくれます。また、味噌・醤油・酢は多くの家庭で常備されていますが、ぜひそこに加えていただきたいのが「塩麹」です。塩麹は味わいに奥深さを出してくれるだけでなく、旨みが強いので塩を余分に入れる必要がなくなり、結果的に減塩にもつながります」(健太さん)
「最初は市販品を使ってみて、慣れてきたら手づくりするのもよいですよ。塩・麹・水でつくりますが、そんなに難しくはありません」(有衣子さん)
「塩麹とうもろこしごはん」


ここからは、田口家の発酵食品を使った朝ごはんレシピを紹介します。
「まずは、塩麹を使ったとうもろこしごはんです。夜のうちに炊いて、おむすびにしておけば、朝はすこし楽ができますね」(健太さん)
「塩麹とうもろこしごはん」(材料 4人分)
とうもろこし 1本
米 3合(450g)
酒 大さじ3 (約45cc)
水 495cc
塩麹 大さじ2
1.とうもろこしは芯から実を外しておく。
2.米をとぎ、酒・水・塩麹を入れ、とうもろこしの芯と実をのせて30分浸水させる。
※麹の旨みが米に染みこむので米の甘さが際立つ
3. 炊飯器で炊き上げて、芯は取り出す。
土鍋の場合は、中火にかけ、沸騰したら弱火で10分、火を止めたら10分蒸らして完成。
「魚の酒粕漬け焼き」


「メインの食材は、魚の酒粕漬け焼き。こちらも前夜のうちに酒粕・味噌・酒と発酵調味料に漬けこんでおきます。ひと晩かけて味を染み渡らせ、朝は魚焼きグリルで焼くだけです」(健太さん)
「魚の酒粕漬け焼き」(材料 4人分)
さわら 2切れ(他の魚・肉でもOK)
酒粕床 酒粕2:味噌1:酒1の割合で混ぜた調味料
1. 魚や肉(今回は、さわら)に酒粕床を塗ってキッチンペーパーでくるみ、
さらにラップをして、6時間〜半日程度漬けておく。
※この状態で常備食品として冷凍しておいてもOK
2.ペーパーなどで丁寧に酒粕床を拭って、魚焼きグリルやオーブンで焼く。
※オーブンの場合:200℃(予熱後)で10分(肉は180℃で15分)
※グリルの場合:弱火で10分程度
「トマトの味噌汁」


「出汁は、ふるさとを感じるもの。私は長崎県出身なのですが、味噌汁の出汁は煮干しでとることが多いです。九州だけでなく四国でも煮干しを使うようですが、中部地域では珍しいかもしれません。頭と内臓を取って前夜から水に浸しておけば、しっかり出汁がとれるので、実は手軽です」(健太さん)
パワフルな赤色の味噌汁。トマトは加熱することでリコピンが増えるとも言われており、視覚的にも栄養的にもパワーチャージができる一品です。
「トマトの味噌汁」(材料 4人分)
水 800cc
煮干し 5〜10匹
味噌(お好みの味噌で) 80g
トマト(中玉) 1個
1.煮干しは頭とお腹を取り、水から煮出す。(前日から漬けておけば煮なくてもいい)
2.沸騰したら弱火で2分煮る。
3.火を止め、煮干しを取り出す。
※煮干しはカルシウムが豊富なので、気にならなければそのまま入れて食べてもOK
4.くし切りにしたトマトを入れる。
5.ひと煮立ちした後、火を止め、味噌をといて完成。
〜トマト選びのポイント〜
「トマトはお尻のところに星のような模様が出ていたら、完熟してから収穫されたものなので甘い。そのまま生で食べる場合は星模様を使うといいですよ。一方、星模様が出ていないものは酸味がありますので、味噌汁の具など加熱するものに向いています。そんな見方を覚えておくと、トマトの使い道に幅が広がりますね」(有衣子さん)
ぬか漬けのススメ


ぬか漬けを自分でつくるようになると、発酵食品の面白さはぐんと広がるということも教えてもらいました。
「ぬか漬けがあれば、いつでもお漬物生活ができますし、冷蔵庫に入れなくても常温で管理ができるので、決して難しくないですよ」(健太さん)
「たぐちごはん」の料理教室でも、ぬか漬けがテーマのレッスンは大人気なのだそうです。