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“がんばらない”お弁当作り
料理家・ワタナベマキのお弁当術(3時間目)

March 21. 2024(Thu.)

最初は「毎日凝ったお弁当を作りたい!」と思っていても、毎日のことだとなかなか続かないもの。3回目の今回は、交流Style「月刊ワタナベマキ」で大人気の料理家・ワタナベマキさんに、“いつものご飯”で作るお弁当レシピと、“がんばらない”お弁当作りの極意について教えていただきました。

ー1時間目の記事はこちら
お弁当作りを始めよう!料理家・ワタナベマキのお弁当術(1時間目)
ー2時間目の記事はこちら
お弁当作りに欠かせない便利レシピ 料理家・ワタナベマキのお弁当術(2時間目)

料理家
ワタナベマキ
長寿料理番組や雑誌などで大人気の料理家。交流Styleでは「月刊ワタナベマキ」を担当している。NHK「きょうの料理」や、日本テレビ系列「キユーピー3分クッキング」などで活躍。オンラインでの料理教室開催や、別府市に新しくできたホテルのダイニングルームのメニュー監修をするなど、幅の広い活動をおこなっている。近著に「アジアの煮込み」(主婦と生活社)他、著作多数。
https://maki-watanabe.com
https://www.instagram.com/maki_watanabe/

3時間目

どんな献立でもOK!?
いつものご飯をお弁当に

そうめんや焼きそばなど
麺料理もお弁当になる!

お弁当の主食といえばごはんというイメージがありますが、焼きそばやうどん、夏ならそうめんなどもお弁当になるってご存知でしたか?密閉できるお弁当箱さえあれば、いろいろなメニューをお弁当にアレンジすることができます。

食欲が落ちがちな夏場には、さっぱりしたそうめんをお弁当にすることが多いです。密閉式の水筒に濃い目の漬け汁と氷を入れて持っていけば、ちょうどランチタイムに氷が溶けて、すっきりと冷たい漬け汁でいただけます。そうめんに、ささみや茹で野菜を添えれば、栄養的にも整うでしょう。

また、子どもが大好きな焼きそばは、肉と野菜をたっぷり使うので栄養バランスが良く、お弁当にはピッタリのメニュー。私の場合、2枚目の写真のようにちくわを焼きそばと一緒に炒めて、さっと火通しした豆苗をのせて彩りよく仕上げています。冷蔵庫の中にあるタンパク質ならなんでも焼きそばの具材になるという好例です。

晩ご飯をアレンジした
丼ぶりをお弁当の主役に

ご飯の上におかずをどっさりのせて、丼弁当にすると、おかずの味がご飯に染みて、美味しいものです。「魚と野菜を焼いて味を染み込ませて、ご飯の上にのせて終わり!」というお弁当は、育ち盛りのお子さんには実は人気。前夜と同じ食材でも、調理法が変われば味わいも違って楽しめそうです。

冷蔵庫にある食材で簡単にできる「鮭と焼きネギ丼」(写真上)を紹介します。

<必要なもの・分量(材料・4人分)>
生鮭 2切れ
長ねぎ 1本
梅干し 2個
昆布カツオだし汁 200ml
しょうゆ 大さじ1
塩 小さじ1/3
炊いたご飯 茶碗2杯分
<作り方>
1.生鮭は塩をふって約10分おき、出てきた水分をペーパーでふく。
2.長ねぎは約6cmの長さに切る。
3.昆布カツオだし汁にしょうゆを加え、梅干しを崩して種ごと加えてなじませる。
4.生鮭と長ねぎは魚焼きグリルで約7分焼く。
 長ねぎを取り出して3に漬け、鮭はさらに3〜4分焼いて3に漬ける。
5.10分程なじませてから、ごはんにのせる。

また、余った刺身があるときは、オイスターソースなどで味付けし、片栗粉をまぶして揚げるだけの魚の唐揚げにしてもよいでしょう。ごはんにのせて丼ぶり風にすると、お弁当の主役になりますよ。

長く楽しく
お弁当を作るコツは
“がんばらない”こと

「料理家が作るお弁当だから、さぞ豪華なの?」なんて聞かれることがありますが、私が作るのはいつものおかずを盛り合わせているだけ。良く言えば、肩の力が抜けている。前の晩のおかずと冷凍の保存食を使って、“できること”をするだけなのです。最初に力を入れて作ると長続きしないので、がんばらないお弁当作りを目標にしていきましょう。

私は以前、出張から帰った翌朝に寝坊してしまい、お弁当を作る時間がなくなってしまったことがありました。とりあえず、ごはんと冷蔵庫にあったおかずを詰め、出張先で買ってきたお土産の和菓子を隙間に入れて、「はい!」と渡したことがあります(笑)。子どもは意外に喜んでくれていました。

和菓子は言い過ぎかもしれませんが、「あと一品!」というときの救世主を用意しておくことも大切。うずらの卵の水煮やツナ缶、切り干し大根などの乾物といった、そのまま使えて保存の効く食材を常備しておくことをオススメします。

毎日の“がんばりすぎない”お弁当作りの参考にしていただけたらうれしいです。

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